ゴルドン夫人が建てた高野山奥之院の大秦景教流行中国碑のレプリカーー『宗教文芸の言説と環境』(笠間書院)と家蔵の宗教絵葉書からーー
シリーズ「日本文学の展望を拓く3」(笠間書院)は、小峯和明監修・原克昭編『宗教文芸の言説と環境』。コラムに奥山直司「物言う石ーーE・A・ゴルドンと高野山の景教碑レプリカーー」があった。ゴルドン夫人が明治44年高野山に建てた「大秦景教流行中国碑」(景教碑)のレプリカは、原碑にない特徴があるという。それは、碑陰上部に一切偏知印が刻まれ、その下に「玄奘上高昌王麹文泰書」と題された二十五行にわたる文章が刻まれていることだという。前者は、「白蓮華の上の光焰に包まれた三角形で、その中央と頂角上とに右卍字が刻まれている」。
ゴルドン夫人は、一切偏知印を東西の思想交流を示すものとして重視していた。石碑がキリスト教の十字架と仏教の卍字とを背中合わせに持つことで、夫人が奉じる「仏耶(仏教・キリスト教)一元」の思想を象徴するモニュメントになったとしている。
この景教碑レプリカの絵葉書を持っている。四天王寺か北野天満宮の骨董市で100円で入手。キャプションに「景教碑/NESTORIAN MONUMENT ERECTED By E A GORDE[ママ]N」とある。葉書の表面に右横書きで「郵便はかき」、仕切り線が二分の一なので、大正7年4月から昭和8年2月までの発行となる。高野山が作成したのだろうか。
参考:「宮田昌明『西田天香』(ミネルヴァ書房)に日ユ同祖論 - 神保町系オタオタ日記」及び「昨年翻刻された西田直二郎日記を読むー西田天香、石神徳門、竹林熊彦ら豪華メンバーが登場ーー - 神保町系オタオタ日記」
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