2024年6月9日日曜日

『日本書紀』集中講義: 天武・持統・藤原不比等を語る | 林 順治 |本 | 通販 | Amazon


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 昭和から平成(1990年代)にかけて「新旧二つの渡来集団よる古代国家の建設」を提唱した在野の古代史研究者石渡信一郎は、天武が天智と異母兄弟であり、蘇我馬子の娘法提郎媛(ほてのいらつめ)と舒明天皇の間に生まれた古人大兄と同一人物(分身・化身)であることを明らかにした。また誉田陵(伝応神陵)や大山古墳(伝仁徳陵)に百済王子(兄と弟)が埋葬されていること合理的に説明している。
つい最近、雑誌『世界』(2017・10)の論文「百舌鳥・古市古墳群の天皇陵古墳名称を問う」(今尾文昭)によれば世界文化遺産登録にむけてユネスコへ推薦することを決定したとある。大阪府・堺市・羽曳野市・藤井寺市が文化庁への2007年以来の運動が実ったわけである。2019年の登録を目指すという。
しかしそもそも天皇陵は発掘調査が禁じられている。これでは、「いつ、だれか、どうしてか」(5W1H)が全く不明である。このように考古学的資料と歴史文献資料との整合性を欠いた古墳(陵墓)が世界文化遺産に登録されるとはおおよそ考えられない。
であるならばこの本の著者林順治が提案するように、忖度することない被葬者が蘇我稲目とされる奈良県橿原市の全長310m、石室29mの参考陵(天皇陵ではない)見瀬丸山古墳(すでに明治初頭のイギリス人ウイリアム・ゴーランドが石室調査を発表)を発掘調査した上で諸外国の人々や日本国民に堂々と公開すべきである。
いっぽう『日本書紀』は二律背反に満ち満ちているが故にこそ、ユネスコ「世界の記憶」の登録の可能性は大だと私は思う。なぜなら東アジアの混沌と対立の歴史を背景に生まれた『日本書紀』は、今日日本の象徴天皇性の秘密を解く宝庫であるばかりでなく、東アジアの歴史を知ることのできる貴重な文献資料であるからだ。

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