古代憲法 先代旧事本紀大成経伝(二)
安齋 玖仁著
2016年12月07日発売定価1500円+税
十七条の憲法は、実はこんなに長文であった
一に曰く「和を以て貴しと為し」の言葉でよく知られた十七条の憲法には、他に前文、政家憲法、儒士憲法、神職憲法、釈氏憲法、総則とがあり、正式名称を「聖徳五憲法」といい先代旧事本紀大成経第七十巻、憲法本紀として伝わっている。前文の次にある第一 通蒙憲法のみが日本書紀に採られて伝わってきたため、17条×5という内容であることはほとんど知られていない。なぜ十七条なのかは重要である。それについて前文に憲法制定までの経緯として書かれている。前文を踏まえて「和を以て貴しと為す」の意味がより深く伝わる構成となっているため、第一通蒙憲法のみを採った日本書紀からは聖徳太子の憲法意図を汲み取ることは難しいといえる。
三宝は仏法僧ではなく、元は神儒仏であったことがわかる
特筆すべきは飛鳥時代の推古天皇の御代には儒教、仏教そして神道それぞれの役割と立ち位置が憲法に明記されている。それによって、平安時代から浸透していった神仏習合の歴史や神社の在り方など現代に伝わる常識が問い直される。あらためて神道とは何か、仏教の変質など、現代における問題への答えが、これらの条文から導きだせるのではないだろうか。タイトルの「古代憲法」は日本書紀の十七条の憲法と区別するために編集部がとった苦肉の策であったが……(あまりよろしくないという声も聞こえる、すみません。編集部)
著者と作品について
発売後3年余が経ち、このところ売れ行きがよくなっています。何故だかわかりません……が喜ばしいことです。
先代旧事本紀大成経伝の二巻目にあたる本書は聖徳太子の十七条憲法の原典「聖徳五憲法」が書かれています。今春の国会で大きな議論となった検察庁法改正案に関し、松尾元検事総長を始めとした元検察幹部を賛同人とした意見書が法務省へ提出されました。意見書を書かれた元最高検検事 清水勇男氏は、当法案を強引に成立させようとする現政権を「ルイ14世の朕は国家なり」と同じと指摘され、言い得て妙であることも世論をさらに沸かせました。
ルイ14世は俄に人々の知るところとなりましたが、現政権が独裁者ルイ14世に酷似しているのと比べ、聖徳太子の「官は民のための政治を行わねばならない」(政家憲法)と定めた憲法が今から1400年前の国政の柱となっていたことは真の意味での国の誉れといえます。理想とは実現するためにあります。歴史の闇に葬られ忘れ去られるのは惜しいことです。
この古代憲法の真髄は、日本書紀の中の十七条憲法から読み取ることは難しく、原典である聖徳五憲法の17条×5章建てではじめて理解できます。いつの時代も人々が求めてやまない政治の原形は、平等と平和です。それが明記された憲法の存在を知っていただければと思います。弊社サイトへの注文は全国、送料無料です。
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