2024年5月16日木曜日

憑依と肚(はら)と女神イナンナ|yasudanoboru翁「とうとうたらりたらりら」

憑依と肚(はら)と女神イナンナ|yasudanoboru

能の中に『翁(おきな)』という演目があります。正確にいえば、これは「能」ではなく、まったく独立した「翁」という芸能だともいわれています。とても神聖な演目で、いまはお正月や、舞台開きなどのような特別のときに演じられることが多いのですが、この冒頭の謡が何とも不思議なのです。

「とうとうたらりたらりら」

これは観世流という流派の謡い出して、これが金春流という流派になると「どうどうたらりたらりら」になります。

どちらにしろ、日本語としてはまったく意味がわかりませんね。で、この意味不明の詞句をチベット語だといった人がいました。『チベット(西蔵)旅行記』で有名な黄檗宗の僧、河口慧海(えかい)師です。

河口慧海師は、これにチベット語表記とその日本語を付して「太陽賛歌」として発表しました(昭和3年、朝日新聞)。

実は、その説はいまはまったく相手にされていません。でも、なんとなく気になるでしょ。で、1980年代にそれを確かめにチベットに行きました(本当はそれだけの理由ではないのですが)。

で、見つけました。これです。

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