民俗学者・柳田国男の調査カード、掛川の図書館で発見 「村」がテーマ 語彙集編さんの基礎資料か
日本民俗学の創始者とされる柳田国男(1875~1962年)が民俗語彙(ごい)を集めた調査カードが、掛川市掛川の中央図書館で見つかった。「村」をテーマにしたア行からワ行までの語彙が10袋の封筒に分類されて入っていた。図書館によると、晩年の柳田が新たな語彙集の編さんに取りかかるため、基礎資料として各地の弟子に振り分けていた可能性があるという。新たに見つかった柳田国男の調査カード
カ行の封筒に入っていた1枚からは「カネシ 村職 飾り屋(阿波ノ言葉) 〇カナヤ カネザイク」の文字が読み取れる。柳田の直弟子だった茨城大名誉教授の民俗学者竹田旦さんが生前に掛川市に寄贈した膨大な資料・書籍群「竹田文庫」に関連して、市内に暮らす竹田さんの長男が2021年に追加で贈った資料から見つかった。
図書館は、資料の整理や詳細な分析などを進める方針。南隆哲学芸員は「貴重な郷土資料がまだ眠っていると考えられる。『村』以外の単元にまとめられたカードも各地に残っている可能性があり、多くの市民や研究者に関心を持ってもらいたい」と話す。
調査カードの一部は30日まで、図書館で展示されている。1942年ごろに書かれ、戦時中で出版物として刊行できなかったとみられる柳田自筆の未発表原稿「名子(なご)の話」のほか、博物学者南方熊楠(1867~1941年)の書簡などもある。柳田国男の未発表原稿などが並ぶ展示=21日午前、掛川市掛川の中央図書館
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