2025年1月22日水曜日

皇極天皇の御代




皇極天皇の御代   
 額田女王(ヌカタノヒメオホキミ)の歌

7 秋の野のみ草刈り葺き、宿れりし宇治の都の假廬し思ほゆ
(以前、野の薄を刈つて、屋根をこさへて宿つた事のある、宇治の行宮の假小屋の容子が思ひ出される。 )

 中皇命(ナカツスメラミコト)(倭姫皇后)、紀伊の温泉に行かれた時の御歌
11 我が夫子は假廬つくらす。草なくば、小松が下の草を刈らさね
(あなたは今假小屋を作つていらつしやるが、屋根に茸く草がなければ、わたしのゐるこの小松の下の草をお刈り下さい。)


天智天皇(1番) 『後撰集』秋中・302
秋の田の 仮庵(かりほ)の庵(いほ)の 苫(とま)をあらみ
わが衣手(ころもで)は 露にぬれつつ
https://ogurasansou.jp.net/columns/hyakunin/2017/10/18/17/

現代語訳

(秋の田圃のほとりにある仮小屋の、屋根を葺いた苫の編み目が粗いので、私の衣の袖は露に濡れていくばかりだ。)

レビ記23: 33 主はモーセにこう告げられた。 34 「イスラエルの子らに告げよ。  この第七の月の十五日には、七日間にわたる主の仮庵の祭りが035始まる。 35 最初の日には、聖なる会合を開く。あなたがたは、いかなる労働もしてはならない。 36 七日間、あなたがたは食物のささげ物を主に献げなければならない。八日目も、あなたがたは聖なる会合を開かなければならない。あなたがたは食物のささげ物を主に献げる。これはきよめの集会であり、いかなる労働もしてはならない。  37 以上が主の例祭である。あなたがたは聖なる会合を召集して、全焼のささげ物、穀物のささげ物、交わりのいけにえ、注ぎのささげ物を、食物のささげ物として、それぞれ定められた日に主に献げなければならない。 38 このほかに主の安息日、また、あなたがたが主に献げる献上物、あらゆる誓願のささげ物、あらゆる進んで献げるものがある。  39 特に、あなたがたがその土地の収穫をし終える第七の月の十五日には、七日間にわたる主の祭りを祝わなければならない。最初の日は全き休みの日であり、八日目も全き休みの日である。 40 最初の日に、あなたがたは自分たちのために、036美しい木の実、なつめ椰子の葉と茂った木の大枝、また川辺の柳を取り、七日間、あなたがたの神、主の前で喜び楽しむ。 41 年に七日間、主の祭りとしてこれを祝う。これはあなたがたが代々守るべき永遠の掟であり、第七の月に祝わなければならない。
42 あなたがたは七日間、仮庵に住まなければならない。イスラエルで生まれた者はみな仮庵に住まなければならない。 43 これは、あなたがたの後の世代が、わたしがエジプトの地からイスラエルの子らを導き出したとき、彼らを仮庵に住まわせたことを知るためである。わたしはあなたがたの神、主である。」  44 こうしてモーセはイスラエルの子らに主の例祭のことを告げた。

ネヘミヤ記
8:
17 捕囚から帰って来た全会衆は仮庵を作り、その仮庵に住んだ。ヌンの子ヨシュアの時代から今日まで、イスラエルの子らはこのようにしていなかったので、それは非常に大きな喜びであった。

18 神のみおしえの書は、最初の日から最後の日まで毎日朗読された。祭りは七日間祝われ、八日目には定めにしたがって、きよめの集会が行われた。

以下万葉集
仮庵使用例8
全部が該当するわけではない

1154 雨は降る。假廬はつくる。何時の間に、名呉の潮干に、玉は拾はむ 1154 住(ノ)江の浦へ行つたら、玉を拾うて遊ばう、と樂しんで來た所が、著くとすぐ、此雨だ。雨は降るし、假小屋は建てねばならぬし、現在住(ノ)江の浦に來てゐながら、何時になつたら、名呉の濱の潮の退いた所に下り立つて、玉を拾ふ事が出來るのだらう。

1556 秋田刈る假廬も未壞たねば、雁が音寒し。霜もおきぬがに 1556 秋の田を刈つた假小屋も、壞たないのに、もう雁の聲が、寒さうに聞えて來る。霜も降るほどに。

2100 秋田刈る假廬の宿り匂ふまで、咲ける秋萩、見れど飽かぬかも 2100 秋の田を刈る假小屋の、寢泊りする廬が美しく見える程、咲いて居る萩は、幾ら見ても見飽かない。

2292 秋津野の尾花刈り添へ、秋萩の花を葺かさね。君が假廬に 2292 此吉野の秋津野に咲いて居る萩の花に、尾花を刈り添へて、あなたの假小屋の屋根にお葺きなさい。

十五
3691 天地とともにもがもと、思ひつゝありけむものを。はしけやし家を離れて、波の上ゆなづさひ來にて、あら玉の月日も來經ぬ。雁がねもつぎて來鳴けば、垂乳根の母も妻らも、朝露に裳の裾濡ち、夕霧に衣手濡れて、さきくしもあるらむ如く、出で見つつ待つらむものを。世の中の人の嘆きは、あひ思はぬ君にあれやも、秋萩の散へる野邊の、初尾花假廬に葺きて、雲離れ遠き國邊の、露霜の寒き山邊に、宿りせるらむ

3691 生きて居た時は、天地と一處に、何時迄もありたいものだ、と思ひ乍らゐたであらうのに、大事の家を離れて、波の上をば、ゆら/\と浮いてやつて行つて、月日も澤山行き過ぎた。(其中に)秋になつて、雁も續け樣にやつて來て、鳴くやうになつたので、お母さんも、いとしい人も、朝露に上裳の裾を濡したり、日暮れの霧に、袖を濡したりして、門へ出て達者にでも居るやうに、思うて待つて居るだらうのに、人間世界の人の悲しみと言ふことには、同感せない人で、あなたがある故か、萩が散つて居る野にある、初尾花をば、假り小屋の屋根として、遠い國の秋の末の露が、冷たく降る山の邊で、泊つて入らつしやるのは、世間の人の悲しみに、同感せられないからだらう。

十六
3850 世の中の醜き假廬に住み/\て、至らむ國のたづき知らずも

3850 此人間世界といふ、むさくるしい假り小屋の中に、かうして住んで居て、行かうと心懸けて居る、彼岸の國の目的も、つかないことだ。

十九
4202 藤波を假廬に作り、漁する人とは知らに、海人とか見らむ
4202 藤の花を假り小屋に造つて、海へ夜釣りに出かける自分達だ、と訣らないで、海人だ、と思つて居るのだらう。

二十
右一首、國造丁日下部使主(クサカベノオミ)三中の父。
4348 たらちねの母を別れて、まこと、我、旅の假廬に安く寢むかも
4348 お母さんの手許をば、お別れ申して來て、わたしが旅の假り小屋で、のんびりと寢られませうか。

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