《怨は怨によりて消すを得べからず、忍辱のみ能くこれを消す。これ即ち古来の掟なり。》
法句経第5句より(オルデンベルク『仏陀』2:3邦訳244~5頁)
Na hi verena verani. sammantidha kudacanam. averena ca sammanti. esa dhammo sanantano. (パーリ語)
「Hatred ceases not by hatred but by love (人はただ愛によってのみ憎しみを越えられる。人は憎しみによっては憎しみを越えられない)
ニーチェはオルデンベルク経由で仏教を勉強したらしく、『この人を見よ』#6及び『反キリスト者』#20でこの言葉を引用している。
第1章 - 双(Yamaka-vaggo)☆
第2章 - 不放逸(Appamāda-vaggo)
第3章 - 心(Citta-vaggo)
第4章 - 花(Puppha-vaggo)
第5章 - 愚者(Bāla-vaggo)
第6章 - 賢者(Paṇḍita-vaggo)
第7章 - 尊者(Arahanta-vaggo)
第8章 - 千(Sahassa-vaggo)
第9章 - 悪(Pāpa-vaggo)
第10章 - 罰(Daṇḍa-vaggo)
第11章 - 老い(Jarā-vaggo)
第12章 - 自己(Atta-vaggo)
第13章 - 世界(Loka-vaggo)
第14章 - ブッダ(Buddha-vaggo)
第15章 - 楽(Sukha-vaggo)
第16章 - 愛(Piya-vaggo)
第17章 - 怒り(Kodha-vaggo)
第18章 - 汚れ(Mala-vaggo))
第19章 - 法行者(Dhammaṭṭha-vaggo)
第20章 - 道(Magga-vaggo)
第21章 - 雑多(Pakiṇṇaka-vaggo)
第22章 - 地獄(Niraya-vaggo)
第23章 - 象(Nāga-vaggo)
第24章 - 渇愛(Taṇhā-vaggo)
第25章 - 比丘(Bhikkhu-vaggo)
第26章 - バラモン(Brāhmaṇa-vaggo)
Hatred never conquers hatred. Only non-hatred conquers hatred. |
Na hi verena verani sammantidha kudacanam averena ca sammanti esa dhammo sanantano
| Never here by enmity are those with enmity allayed, they are allayed by amity, this is a timeless Truth. |
verena :through hatred , kudacanam : at no time,
na hi sammanti: not subsided, averena ca: only by non-hatred,
sammanti: are pacified,
eso: this (is),
sanantano: ageless,
dhammo: wisdom.
Sacred Books of the East, Vol. 10: The Dhammapada and Sutta Nipata: The Dhammapada: Chapter I. The Twin-Verses.
http://www.sacred-texts.com/bud/sbe10/sbe1003.htmDhammapada - Wikiquote
https://en.m.wikiquote.org/wiki/Dhammapada- The Dhammapada as translated by Max Müller (1881) (with additional commentary and footnotes)]
- Dhammapada, Wisdom of the Buddha as translated by Harischandra Kaviratna (1980)
- Dhammapada translations by Acharya Buddharakkhita (1985) and Thanissaro Bhikkhu (1997)
- The Dhammapada as translated by John Richards (1993)
- The Dhammapada as translated by Sanderson Beck (1996)
- Quotes from the Dhammapada and pictures
法句経 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/法句経国立国会図書館デジタルコレクション - ダンマパダ : 和漢英巴対照 法句経
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2991035The Dhammapada - John Ross Carter, Mahinda Palihawadana - Google ブックス
https://books.google.co.jp/books?id=pvOk7_lCSSQC&pg=PA89&dq=Yamaka-vaggo&hl=ja&sa=X&redir_esc=y#v=onepage&q=Yamaka-vaggo&f=false《「実にこの世においては、怨みに報いるに怨みを以てしたならば、ついに怨みの息むことがない。怨みをすててこそ息む。これは永遠の真理である。(五)*」
これは個人と個人との間で生かされる道理であるばかりでなく、国際的にも意味をもっている発言です。
ここで思い出すのは、第二次世界大戦のあとで講和条約が締結され、世界の諸国はわが国に賠償を要求したのですが、その時にスリランカ国は、サンフランシスコ条約には参加しましたが、賠償権を放棄しました。その時の声明の中に、この法句経のことばを引いているのです。
なぜか。その時、スリランカの政府首脳たちは、仏典のこの文句をひいて言いました。「戦いは終わったのだ。もはや怨みに報いるに怨みを以てすることをやめよう。この精神でセイロン(スリランカの旧国名)は世界の平和に貢献したい」と。》
中村元『原始仏典』
オルデンベルク『仏陀』(書肆心水)原著1881年刊行
http://www.shoshi-shinsui.com/book-buddha.htm
新田訳:
「なぜなら、敵意によりては敵意は終わらず、敵意無きことによって敵意は終わる、これが昔からの秩序だからである」
法句経 電子書籍: 荻原 雲来訳:
https://www.amazon.co.jp/dp/B009MAANEW
「世の中に怨は怨にて息むべきやう無し 。無怨にて息む 、此の法易はることなし 。」
The Japanese Peace Treaty - J.R. Jayewardene (1951 Sep 01)
https://youtu.be/e0FTwGA9H0E日本を救ったブッダの教え「憎しみは、愛によって消える」(にしゃんた) - 個人 - Yahoo!ニュース
http://bylines.news.yahoo.co.jp/nishantha/20140905-00038868/再びサンフランシコ講和会議に話を戻したい。9月6日は、会議においてJ.R.ジャヤワルダナ、スリランカ代表がまさに演説を行った日である。スリランカ代表は、自ら対日賠償請求権を放棄し、諸外国にも同じようにするよう訴えた。同時に旧ソ連から提案されていた日本分断案に真っ向から反対し、今の国の形を守ったまま日本に返す必要があると強く求めた。
この演説で最も評価されている部分が何かというと、それは、ブッダの言葉であるダッマパーダ(法句経)5を用いた「Hatred ceases not by hatred but by love (人はただ愛によってのみ憎しみを越えられる。人は憎しみによっては憎しみを越えられない)という部分である。さらにジャヤワルダナ代表は、この思いはアジア共通文化として今もなお存在していると強調したことも忘れてはならない。
演説に対して吉田茂首相は深く感銘し涙したと伝えられている。大日本帝国憲法下の日本の最後の総理大臣となり、戦後直後からの安定的な政権の元に諸外国と共に日本の復興に尽力した吉田茂と後にスリランカの初代大統領となったJ.R.ジャヤワルダナの絶大なる友好および信頼関係はやり取りされた手紙からもうかがわれる。
ニーチェの仏教観(2015・12・26) satoruのブログ/ウェブリブログ
http://37073327.at.webry.info/201512/article_2.htmlここ(ツァラトゥストラ)では仏教思想については直接触れていない。彼は幾つかの
論文ではキリスト教と対比して論じている。『反キリスト者』に
おいて仏教はインド古代社会における永い哲学運動から生まれ
神を立てず「キリスト教より百倍も現実主義的」、また「歴史が
私たちに示す唯一の本来的に実証主義的」な宗教だとする。
そしてキリスト教の根底には弱者のルサンチマン(恨み、フランス
語)があり、イエスの弟子はその恨みを晴らすべく教理を作ったと
パウロの書簡等挙げる。
一方、仏教は「敵意によって敵意はやまず、友愛によって敵意は
やむ」と最初に教える。これは原始仏典・ダンマパダ第5偈の
引用であるが感動的なリフレインだと言う。『反キリスト者』での
引用は前句のみであるが『この人を見よ』の中では後句も引用
している。(なお、筆者のダンマパダ原文(パーリ語)からの訳を
示す。
「実にこの世において、怨みに怨みを以ってせば、ついに息む
ことなし。怨みをすててこそ息む。これは永遠の真理なり」。筆者
ブログの別掲「法句経第5偈を巡って」参照)
ニーチェはルサンチマンの克服を説く仏教に対し称賛しながらも、
同じ『反キリスト者』の論文中で次のように評する。「仏教は老成
した人にとっての、苦悩をあまりにもやすやすと甘受するところ
の、善良・温和なきわめて精神化されてしまった種族にとっての」
宗教、また「文明の終末と倦怠にとっての」宗教だと論じ、そう
した柔和な、寛大な仏教をヨーロッパは「受け入れるまでに成熟
していない」と言う。
さらに仏教の求める涅槃は「無への憧憬」(『悲劇の誕生』)と
断じ、仏教は「非存在への道」(『力への意思』)を求めている
とも言う。仏教を神を立てない現実主義的な宗教と評価しながら
も同じ『反キリスト者』の中で「無,彼岸、神、真の生,涅槃・・・
の無邪気な修辞」は「生に敵対する」ものだと論じる。仏教の
一面を鋭くついてはいるが、涅槃についてニーチェは明らかに
誤解していると思う。
《第三経 犀の角 三五 あらゆる生きものに対して暴力をふるうな。何ものをも苦しめるな。息子を欲しがるな。友人などはいうまでもない。犀の角のように、ただひとり行動せよ。》
(世界の大思想版スッタニパータより)
Having abandoned the practising of violence towards all objects, not doing violence to any one of
them, let one wish not for children. Why wish for a friend? Let one walk alone like a rhinoceros.
以下wikiより
http://www.geocities.jp/jbgsg639/sutta.html
ニーチェの読んだ『スッタニパータ』は、
Sutta Nipata by M. Coomaraswamy
Keywords: Buddhism; Pali; Canon; Tipitaka; Tripitaka; Khuddaka; Nikaya; Sutta; Nipata; translation Pages: 187
http://static.sirimangalo.org/pdf/coomaraswamysuttanipata.pdf
キリスト教は邪教です!―現代語訳『アンチクリスト』 ニーチェ,フリードリッヒ・ヴィルヘルム(著)
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4062723123.html
http://blog.goo.ne.jp/zen9you/e/fea0ef6ba775f66d31871dd9fffa3107
19世紀ドイツの哲学者ニーチェの「アンチクリスト」の現代語訳
『仏教はキリスト教に比べれば、100倍くらい現実的です。仏教のよいところは
「問題は何か」と客観的に冷静に考える伝統を持っているところです。・・・そういう意味では
仏教は、歴史的に見て、ただ一つのきちんと論理的にものを考える宗教と言っていいで
しょう。』
『仏教が注意しているのは、次の二つです。
一つは、感受性をあまりにも敏感にするということ。なぜなら、感受性が高ければ高いほど、
苦しみを受けやすくなってしまうからです。そしてもう一つは、なんでもかんでも精神的な
ものとして考えたり、難しい概念を使ったり、論理的な考え方ばかりしている世界の中に
ずっといること。そうすると、人間は人格的におかしくなっていくのです。』
『仏教は良い意味で歳をとった、善良で温和な、きわめて精神化された種族の宗教です。
ヨーロッパはまだまだ仏教を受け入れるまでに成熟していません。仏教は人々を平和でほ
がらかな世界へ連れていき、精神的にも肉体的にも健康にさせます。
キリスト教は野蛮人を支配しようとしますが、その方法は彼らを病弱にすることによって
です。相手を弱くすることが、敵を飼い慣らしたり、文明化させるための、キリスト教的
処方箋なのです』
44 :
考える名無しさん
2016/12/03(土) 09:52:32.27 0
《僕はシュマイツナーの友人ヴィーデマン氏から、仏教徒たちの聖典heiligen Buchernの
ひとつとかいう『スッタ・ニパータ』の英語の本を借りた。そして『スッタ』の確乎たる
結句のひと つを、つまり「犀の角ように、ただ独り歩め」という言葉を僕はもうふだんの
用語にしているのだ。生の無価値とすべての目標の虚偽とにたいする確信が、しきりと、
ときには僕の心に迫 ってくるのだ、ことに病気でベッドに寝ているときなどにはね。
それで僕は『スッタ』からもっと多くのことを聞きとろうとしているのだ、ユダヤ=キリスト
教的な言い回しと結びつけないで ね。
――(三行略)――
生に執着してはいけないということ、これは明白なことなのだ。だが、実際にもうなに
ものも意志しないということになったら、どこで僕たちは生に耐えていけるのだろうか?
認識せんと 意志することは、生の意志の最後の領域として、意志することと、もはや意志
しないことの、つまり煉獄の領域と涅槃の領域の中間地帯として、残されているように僕は
思うのだ。一方 には、不満を覚え、軽蔑しながら生をふりかえるかぎり、煉獄があり、
他方には、精神(ゼーレ)が生によって純粋観照の状態に近づくかぎり、涅槃があるのだ。》
(理想社ニーチェ全集第十五巻「書簡集Ⅰ」塚越敏訳)
『スッタニパータ』(巴: Sutta Nipāta)は、セイロン(スリランカ)に伝えられた、いわゆる南伝仏教のパーリ語経典の小部に収録された経典のこと。
「スッタ」(Sutta)はパーリ語で「経」の意、「ニパータ」(Nipāta)は「集まり」の意、あわせて『経集』の意となり、『南伝大蔵経』のようなパーリ語経典日本語訳の漢訳題名でも、この名が採用されている。
文字通り古い経を集めたものであり、その一部に対応する漢訳経典としては『義足経』(大正蔵198)がある。第4章と第5章に対する註釈として、サーリプッタ(舎利弗)の作と伝承される同じく小部に収録されている『義釈』がある。
『スッタニパータ』は、以下の全5章から成る。
(第一章は一二経よりなり、その第一経が「蛇」であるところから、第一章ぜんたいの名称となった。)
第1章 - 蛇(Uraga-vagga)
第2章 - 小(Cūḷa-vagga)
第3章 - 大(Mahā-vagga)
第4章 - 八(Aṭṭhaka-vagga)
第5章 - 彼岸道(Pārāyana-vagga)
内容:
『ダンマパダ』は初学者が学ぶ入門用テキストであるのに対し、『スッタニパータ』はかなり高度な内容を含んでいるため、必ずしも一般向けではない。
有名な「犀の角のようにただ独り歩め」というフレーズは、かなりの程度、修行の進んだ者に向けて語られたものである。
南方の上座部仏教圏では、この経典のなかに含まれる「慈経」、「宝経」、「勝利の経」などが、日常的に読誦されるお経として、一般にも親しまれている。
成立:
最初期に編纂された最古の仏典のひとつとされ、対応する漢訳は一部を除いて存在しない(第4章『八つの詩句』/支謙訳:仏説義足経(大正蔵198))。現代では日本語訳として『南伝大蔵経』の中におさめられている。ただし、『スッタニパータ』の中にも、新旧の編纂のあとが見られ、パーリ語の文法に対応しない東部マガダ語とみられる用語が含まれていることから仏典の中でも最古層に位置づけられている。
また『スッタニパータ』の注釈書として『ニッデーサ』(義釈)が伝えられている。『スッタニパータ』の第4章と第5章のそれぞれに大義釈と小義釈が存在することから、この部分がもっとも古く、元は独立した経典だったと考えられている。
『ニッデーサ』は文献学的に『スッタニパータ』と同時代に成立したと考えられている。
日本への伝来:
スッタニパータ全体の漢訳は存在しないため、日本に伝来することもなかった。近代にはいってからは以下の翻訳がある。
「諸経要集」『国訳大蔵経 経部第11巻』 立花俊道訳、国民文庫刊行会、1935年(原著1927年)。
『釈迦牟尼聖訓集 : 巴利文スツタニパータ』 荻原雲来訳、大東出版社、1935年。
「経集」『南伝大蔵経』小部経典2、水野弘元訳、大蔵出版、1939年。
「スッタニパータ」『世界の大思想』II-2、渡辺照宏訳、河出書房、1969年。
『ブッダのことば』 中村元訳、岩波文庫、1984年。
書誌情報 編集
日本語訳:
正田大観 『ブッダその真実のおしえ スッタニパータ第四章 和訳と注解』 シーアンドシー出版、2000年2月。ISBN 4-434-00065-9。
正田大観 『ブッダのまなざし スッタニパータ第四章・第五章 和訳と注解』上、アムリタ書房、2001年9月。ISBN 4-434-01296-7。 - スッタニパータの第四章「八つの偈」の和訳と注解。
正田大観 『ブッダのまなざし スッタニパータ第四章・第五章 和訳と注解』下、アムリタ書房、2001年9月。ISBN 4-434-01296-7。 - スッタニパータの第五章「彼岸への道」の和訳と注解。
『ブッダのことば スッタニパータ』 中村元 訳、岩波書店〈岩波文庫 青301-1〉、1984年5月。ISBN 4-00-333011-0。
『ブッダのことば スッタニパータ』 中村元 訳、岩波書店〈ブッダのことばシリーズ〉、1984年5月。ISBN 4-00-001989-9。
『ブッダのことば スッタニパータ』 中村元 訳、岩波書店〈ワイド版岩波文庫〉、1991年1月。ISBN 4-00-007007-X。
『ブッダの教え スッタニパータ』 宮坂宥勝 訳、法蔵館、2002年10月。ISBN 4-8318-7235-0。
『原始仏典』第7巻 (ブッダの詩 1)、梶山雄一ほか 編、講談社、1986年7月。ISBN 4-06-180677-7。 - 「スッタニパータ(釈尊のことば)」を集録。
『スッタニパータ 釈尊のことば 全現代語訳』 荒牧典俊・本庄良文・榎本文雄 訳、講談社〈講談社学術文庫 2289〉、2015年4月。ISBN 4-0629-2289-4。 - 『原始仏典 7』(1986年刊)の抜粋。