2024年7月11日木曜日

絵解きでわかる聖書の世界: 旧約外典偽典を読む | 秦 剛平 |本 | 通販 | Amazon


https://www.amazon.co.jp/絵解きでわかる聖書の世界―旧約外典偽典を読む-秦-剛平/dp/4791764749

2009年4月2日に日本でレビュー済み
 ヨセフスの研究家でもある秦剛平先生は、多摩美で教えていて、このところ旧約、新約、それに反ユダヤ主義を『美術で読む』というシリーズを出しているのですが、その第四弾がこれ。ぼく個人としてはあまり旧約は面白いと思って読んだことはないのですが、カトリックの第二聖典を含む旧約外典偽典は逆に読物としても非常に面白いと思っています。

 ということで、この本はマカバイ記の1〜4、トビト記とユディト記、ギリシア語エステル記、ダニエル記補遺に関して、西洋の画家たちが挿絵や油絵として残した図像を元に、解釈を膨らませています。

 「お話し」で進みますので、これまで個人的な興味のなかった、天使ラファエルが最初に登場するのはトビト記だとか、ヤン・ステーンの絵画『トビトとテラの結婚のお披露目』で家と家の間に張ってある網みたいなものは「クパー」と呼ばれる天蓋で、現代ユダヤ社会でも使われているとか、新旧約聖書で化粧の美しさが強調されるのはユディトだけなんて話は、なるほどな、と思わせます。

 カラヴァッジオ派(カラバジェスキ)の女流画家アルテミジア・ジェンティレスキが自身をモデルにしたユディトの絵はのど元が腫れています。これは当時のヨーロッパではヨード不足で、喉元を腫らしていた女性が非常に多かったとのことです(p.95)。ちなみに、表紙に使われているユディトもジェンティレスキ。
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レポート
ヒデボン
2015年3月31日に日本でレビュー済み
 カトリックがだいっきらいで、お下品なプロテスタント信者が、創価学会の城下町・信濃町にある、これまた怪しげな施設「カトリック真生学習センター」でカトリック信者を前に行った、まことにもって怪しげ、でもおかしげな講演パフォーマンス集。

 中・高校の多感な時期をカトリック系の学校に学び、大学はラディカルなプロテスタント系の学校に学んだ多神教大好き!人間としては、本書はまことにもって嬉し、恥ずかし、奇奇怪怪的なモノであった。もっと早く知るべきであったけど、秦センセは、聖書に関する三部作を既にリリース済みで、本書は最後の最後!!的なモノらしい。

 中野京子センセの「怖い絵」にも入っていた「ユディット」ものだけど、やはり正統な(!)聖書学者の解説は歴史大好き、だけど聖書はあまり詳しくはない!中野センセより、はるかに緻密であること、これはしょうがない・・・・

 いずれにせよ、本書に取り上げられた美術作品は、つとに有名なものだけど、これらの絵画が表わす奥深い意味合いを、さらに深読みできる道筋をを教えてくれる本書は、なかなかに興味深い・・・西洋絵画好き、歴史好きにとっては、チョーおすすめ。
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