本当にあった「世界最古の都市」 シュメール文明のエリドゥとは
世界最古の文明の伝説の地は、何の変哲もない砂漠の丘の下に隠されていた
2022年、イラク南部のバスラ近郊で、古代シュメールの都市エリドゥの遺跡を発掘する考古学者たち。(Alla Al-Marjani/Reuters/GTRES)
エリドゥは、知られている限り世界最古の文明で、紀元前4000~1000年頃に現在のイラクで栄えたシュメール文化の基礎となった都市だ。
エリドゥの重要性は、歴代のシュメール王の名が並ぶシュメール王名表に記されている。紀元前2000年頃まで、さまざまな版の王名表がくさび形文字で作成されていた。表の後半部分に記録されている都市名と王朝名は、歴史資料でも確認できる。
表の前半部分には、神話上の人物名も含まれ、「大洪水(地域的な災害の可能性も、旧約聖書の創世記に書かれている大洪水に関連している可能性もある)」の前に存在していた初期の王国の都市名が刻まれていた。
その最初に書かれている都市がエリドゥだ。「王権が天から下った後、王権はエリドゥにあった……5つの都市、8人の王に……そして、洪水がすべてを拭い去った」
エリドゥには、水と知恵の神で、シュメールの神々のなかで最も重要なエンキ神を祀る最大の神殿があり、何世紀もの間、メソポタミア全土から巡礼者が参拝に訪れていたというが、その遺跡が見つかり、詳しいことがわかり始めたのは20世紀になってからだった。

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