こんよばんこくぜんずびょうぶ坤輿万国全図屏風
坤輿万国全図とは、1602年にイタリア人宣教師のマテオ・リッチ(1552~1610)が「地球が球体である」という説を元に描いた世界地図である。刊行された中国を中心に描かれ、万里の長城なども描き込まれている。日本列島は本州、四国、九州と特徴を捉えて描かれているが、北海道の位置に北陸道があるなど正確ではない。南極大陸もオーストラリアを含む巨大な大陸(メガラニカ)として描かれている。
本作品は坤輿万国全図を彩色して屏風に仕立てたもので、岡山藩に仕えた狩野家の奉公書に、絵師の狩野自得が元禄14年(1701)「世界の図御屏風の絵」の制作を命ぜられ、翌年に完成との記述があり、本屏風の可能性が示唆されている。これが本屏風とすれば、二代藩主の池田綱政(1638~1714)が制作させたとも考えられる。岡山藩主池田家伝来品。
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