釈迦は失われたイスラエル10支族だった?
飛鳥昭雄氏の著書「失われたフリーメーソン『釈迦』の謎」より。釈迦は失われたイスラエル10支族だった、というのです。初耳の人には、いや殆どの人が初耳でしょうが、トンデモオカルト都市伝説に聞こえるかも知れません。でも世界中の人々がノアの末裔だという聖書に従うのであればトンデモで片付けるわけにもいきません。著者はこう言います。ネパールではシャカ族のことをシャーキャと発音するが、イランではサカと発音し、実際サカ族が存在した。これをギリシャ語でスキタイ、と呼ぶ。スキタイは遊牧民でユーラシア全土を駆け巡りその機動力で多くの国を滅ぼした。北イスラエル民族が捕囚されていたアッシリアも事実上はスキタイによって滅ぼされ、その際北イスラエル民族も連れ去られた。その後アジアの各地に定住するようになり、チベット系ネパール人として定着したのがシャーキャ族である。そのシャーキャ族からイスラエル10支族の証拠であるYAP遺伝子が発見された。 そう、シャカ族のゴータマ・シッダールタも日本人と同様古代イスラエル人の血をひいている、と言う事なのです。
「失われた10支族」は北イスラエル王国がアッシリアに捕囚されて、その後行方が分からない、という史実の事ですが、キリスト教の主流はこれを認めません。youtube で見るエライ牧師の先生は「新約聖書の色々なところに10支族、あるいは12支族という表現が出てくるのだから失われてはいない、旧約聖書にもユダ族と共に帰還したという記述がある、失われた10支族というのは神話である」というのです。日ユ同祖論を展開してきた研究者の名前を列挙して批判をしていきます。確実に言えることはこの先生は古代イスラエル人が東方に広がっていった、という事を研究はおろか調べてもみない、という事は確実です。つまり関心がない、という事です。関心がないのでシルクロードを渡っていきあちこちに定住したイスラエル人などいないし、ましてや日本にまで到達した、などと言うことはあろうはずがない、と言っているかのようです。傲慢としかいえませんね。イスラエルの公的機関のアミシャーブがアジアに広がっている古代イスラエルの痕跡を追い求め続けてている、などと言うことにも全く関心がないのでしょう。。イエスは「謙虚になれ」と言っています。この牧師先生もこのことについて質問されたら「私はこのことについては研究していませんので分かりません」と言うべきなのです。学者馬鹿になってはいけないのです。
結論は10支族はバビロン解放と共にユダ族とイスラエルの地に帰還した人々、バビロニア地方に残った人々、シルクロード沿いに東方へ向かった人々、その他、であり、正確なことが分からないから「失われた」という表現をする人がいるという事で、消滅したわけではありません。聖書の記述にあるとおりです。
さてアッシリア捕囚はBC740年代。バビロン捕囚の解放はBC]530年代。その間にスキタイと共に東方へ向かったイスラエル人がいたのです。釈迦の生存した年代は正確には分かっていないそうですがBC5世紀としても、年代的には合います。シルクロード沿いの各地に古代イスラエル人の痕跡がありますのでネパールのシャカ族がイスラエル人の末裔であることが否定できるはずもありません。YAP遺伝子が発見されたのであればなおさらです。そうであればイスラエル民族から釈迦(ゴータマシッダールタ)とイエスという二人もの賢人を輩出したという事はとてつもないことです。クリスチャンの皆さんは釈迦にも感心持たないともったいないし、仏教徒もイエスの事をもっと知ってもらいたいと感じるのです。
イエスは30歳で公生涯に入る前は何をしていたのか記述がないので分からないそうですが、実はインド、ネパール、チベットに仏教の修行に行っていた、という聖イッサ伝、なるものがあるそうです。イエスは若いときに父親が死んでしまい、弟妹を養う為に大工として働いていたそうですから、さすがにインド方面に修行に行くのは不可能だったでしょう。そう考えると聖イッサ伝は作り話です。ではイエスは仏教とは無縁だったのでしょうか?無縁どころか大いに縁があったという話があります。ソロモンの時代はタルシシュ船で色々な国と交易をしていたと旧約聖書にありますが、そのタルシシュ船はインドまで航路があったそうです。インドから宗教も何らかの形で入ってきたに違いありません。その歴史の延長上で仏教概念も入ってきた、とも言えるかも知れません。イスラエルまで仏教僧が修行に来ていた、という記録があるそうです。ですから仏教概念がイエスにも伝わっていた、という可能性も充分あるでしょう。イエスの言った「父なる神」は「ロゴスの神」でありユダヤ教の神よりはむしろ仏教の「ダルマ(法)」に近い、という考えもあり、ひょっとして福音書からもうかがえるのかも知れません。続きはまたいずれ。
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