神戸市教育会館の石羊。
かつては墳墓を守っていたと思われる、石彫の羊を時々ご紹介しています。
これまでに、京都の京都国立博物館と野仏庵、東京の東京国立博物館と根津美術館のものについてお話をしておりますが、このたび不可思議な場所に同種の石羊がいることを知って、兵庫県は神戸市まで行ってまいりました。
JR・阪神元町駅を下車、東口から出て鯉川筋を北へ十分ほども上ったところに建つ、神戸市教育会館の外壁です。
上の方に、なにか……、あ、あれか!
もとは個人宅の玄関先を守っていたものが移されてきたとのことですが、置き場所がここというのは、すごいですね。
訪問者のためには、最高の目印だと思います。ご縁があれば、ぜひ一度。
関西の羊スポットに、もう一か所立ち寄ってまいりましょう。
大阪市は四天王寺のほど近く、地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ヶ丘駅至近の「愛染さん」こと勝鬘院です。
こちらの境内にたつ「多宝塔」の蟇股に十二支の動物たちが彫刻されているのです。
蟇股彫刻は、これまでに、東京は上野動物園内にある旧寛永寺五重塔と、宮城県は松島の五大堂をご紹介しています。
こちらのも、また良い風情ですね。
十二支の並ぶ位置からすると、たぶんこれが未かと。丸みがあってかわいらしいです。
せっかくなので、他の動物たちも下に。
ご縁があれば、ぜひ。
さて、このとき、太陽にまなざしを上げれば、こう言うことができるでしょう。
「この太陽は昨日はプリクススの羊の毛皮を踏んでいた。」
穀物の種子を焼いた罪深き継母の奸計のせいで、苗が、いつもとは違い、芽をひとつも出しませんでした。
鼎のもとからたしかなお告げを聞いて帰るようひとが送られます。
不作の大地にデルピの神がどのような救いを教えるか知りたかったのです。
ところが、この使者も種子同様に腐り切っていて、ヘレと若殿プリクススの命をお告げは求めている、と伝えます。
ついには、種蒔きの時期も迫り市民とイノが王の反対を押し切って、非道な命令を認めさせました。
プリクススと妹の二人は、額を髪飾りでおおい、並んで祭壇の前に立つと分かち合う悲運を嘆きます。
これを、たまたま天から垂れ懸かっていた母親が目にし、驚愕した手でむき出しの胸を打ちました。
雲を引き連れ、大蛇から生まれた都へと飛び降りると、そこから自分の子供たちを救い出します。
そして、逃げおおせるよう、黄金の輝きまばゆい牡羊を授けます。
牡羊は二人をのせて長い海路を通ってゆきます。
ずいぶん前に、オウィディウスの「転身物語」で金羊毛にかかわる物語をご紹介したことがあるのですが、こちらは同じくオウィディウスによる、日々の暦に従って万象を語る『祭暦』からの一章です。
「三月二十三日」の章に、「三月二十二日から太陽が牡羊座宮に入ったことの表現」(訳注より引用)である「プリクススの羊」の一文のあと、牡羊座のもとになった黄金の羊がプリクススとヘレの兄妹を救う伝説が語られています。
第4回動物アイドル選抜選挙開催!
イングランドの丘の動物たちの中で、誰が一番人気があるのかを決める『動物アイドル選抜選挙』を今年も開催いたします。
投票いただいたお客様の中から抽選で素敵なプレゼントをお送りさせていただきます。
投票期間 4月25日─5月31日
投票場所 入園ゲート コアラ館開戦の狼煙
第4回動物アイドル選抜選挙の候補者紹介
ak様から、兵庫県南あわじ市の農業公園「淡路ファームパークイングランドの丘」のことを教えていただきました。ありがとうございます。
動物飼育スタッフ公式ブログを拝見していると、ヒツジたちの一頭一頭がずいぶんキャラの立った子たちばかりのようで、とても心惹かれます。美脚のロマノフスキー「エリザ」ちゃんとか、なぜかボウボウに鼻毛が出ているサフォークの「ひじき」君とか。
ただいま、全動物たちを対象にした人気投票が開催されている模様。ヒツジ代表のコリデール「ちゃっぷりん」君は、たいへん男前ですよ。
0 件のコメント:
コメントを投稿