亥の子(いのこ)
「亥の子(いのこ)」について
亥の子とは秋のお祭り後に行われる男の子の行事で猪が子沢山ということから、旧暦の10月亥の日に亥の子を行ないます。
年によって3回あることもあります。
亥の子では、「亥の子石」という直径20cm~30cmぐらいの五輪型という円形石の中央部分の横一文字に鉄の輪を付けそれに縄(昔は稲穂のわら縄)を付けて庭先の土の上を上下させ突く風習です。
亥の神さんのお宿の準備
前日の朝、男の子たちが海に亥の子石を持っていって、丁寧に海水にて石を磨き清め晩、男の子の生まれた家が「亥の子宿」になって祝い、丁重に祭壇をまつります。
祭壇には、三宝(さんぽう)にてお供えしたお餅を中心に左右にお神酒の角樽と下段に向かって左から昆布・するめなど乾き物、鯛二匹、お米、野菜、果物の順番に並べます。
亥の子旗を立てます
そして家の戸口に「亥の子旗」と「亥の子幟」を竹笹の棒で立てます。
この亥の子旗と亥の子幟は、嫁の里か身内が贈ったもので昔は白旗で晒や紙などに 墨にて文字を書いていたらしい。
今では色とりどりの布に変わり亥の子旗は、家紋や祝う子供の名前をいれたりします。
亥の子の当日の晩には、亥の子宿が子供たちによって組内に餅・柿・みかんなどを配り、 組中をまわって門先で亥の子突きをします。
そのとき、亥の子大将が「亥の子音頭」を唄います。
亥の子音頭で今年の稲作のできを唄ったり、家をほめたり、家族の健康や御多幸を祝ったりするので各家々ではオミキ銭(雄燈明銭)をはずみます。
男の子供たちはオミキ銭を大将中心に分配しあいます。
これが正月のお年玉までの子供の楽しみとなります。
(今では子供たちも少なくなってきているので地域によって、女の子の参加もある所もでてきています。)
亥の子音頭
<いざなぎや>
いざなぎや いざなぎや (さーえんし えんしやー)
いざなぎお山のくすのきを (さーえんし えんしやー)
今切り倒して 船造る (さーえんし えんしやー)
船は白金櫓は黄金 (さーえんし えんしやー)
七福神が乗り込んで (さーえんし えんしやー)
七福神の港入り (さーえんし えんしやー)
お家はご繁盛と祝いましょ (さーえんし えんしやー)
(ここらで 祝いましょう えんやー えんやーこら やーこ お亥の子さまの よいしょ よいしょ)
*オミキ銭が多ければ、上の追加で
(男の子が生まれるようにと祝いましょ えんやー えんやーこら やーこ お亥の子さまの よいしょ よいしょ)
<松づくし>
一本めいには池の松 二本めいには庭の松 三本めいには下がり松 四本めいには茂り松
五本めいには五葉の松 六つ昔の高砂や 七本めいには姫小松 八本めいには浜の松
九つ小松を植え並べ 十で豊国の伊勢の松
<おととんや>
おととんや おととんや わしの弟の仙松は 馬乗り上手で馬に乗り
馬の背から飛び降りて 扇の要で池をつく 池の端に稲植えて お酒を造れば泉酒
この酒頂戴する人は 万に長者となるわいな お家はご繁盛と願いましょ
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