江沢民、中国に「反日教育」深く浸透させた男
(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎)
中国の江沢民元国家主席が11月30日に死去した。96歳だった。
江沢民は揮毫好きで知られた。中国本土を回れば、至るところで「江澤民」の名前の入った文字の石碑や表示を見ることができる。
「愛国教育」のための「反日教育」
たとえば、毛沢東の生家のある湖南省韶山市。生家とその周辺は、いわば中国の聖地として整備され、中国全土から多くの人々が訪れるが、その記念館や施設を示す巨大な門の上に「韶山毛沢東○○館 江澤民」といった文字があちらこちらに掲げられている。
あるいは、吉林省長春。かつて満州国の首都「新京」と呼ばれていたこの場所には、皇帝だった愛新覚羅溥儀の皇宮が残っていて、料金を払って見学することができる。もっとも、地元ではこの歴史的建物を『偽満州国皇宮』と呼んでいて、「偽満皇宮博物院」「長春溥儀研究会」と記された門と鉄条網に囲まれている。
その皇宮の真ん前に、建物といっしょに写真に写り込みやすいように斜めに置かれた石碑にも、江沢民の揮毫がある。
『勿忘"九・一八" 江澤民』
「忘れる勿(なか)れ」という意味で、「9・18」は満州事変のきっかけとなった柳条湖事件のあった日付を指す。
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