宇佐家伝承③
宇佐家伝承①②からの続き。
宇佐公康(きみやす、1915年-?)氏が「宇佐家伝承 古伝が語る古代史」に続いて、「宇佐家伝承 続古伝が語る古代史」を1989年に木耳社から出版した。
阿蘇族と菟狭族(宇佐族)は同族の関係にあった。古代の阿蘇国は「日の国」で、菟狭国(宇佐国)は「月の国」であった。
初代神武天皇(181年-248年)の皇子と考えられる常津彦耳命(とこつひこみみのみこと)は、阿蘇都媛命を妃として菟狭国造となり、二人の墳墓は大尾山(宇佐神宮の東)にあると宇佐家古伝にある。
宇佐神宮の案内図
阿蘇都彦命と阿蘇都媛命は、阿蘇国を造り治めていた。神武天皇の皇子・神八井耳命の皇子である健磐龍命(たけいわたつのみこと)が阿蘇国に侵略し、阿蘇都彦命を殺し、阿蘇都媛命を妃にしようとして、領土を奪ったと古伝は云う。
この部分は、他の文献とはかなり違うのでややこしい。健磐龍命の別名に阿蘇都彦命がある。神武天皇の子孫には九州東部に伝説が多い。
健磐龍命が阿蘇神社(熊本県阿蘇市一の宮町、肥後国一之宮)の「一の神殿」に一宮として祀られ、阿蘇都比咩命が「二の神殿」に二宮として祀られている。阿蘇都彦命は祀られていない。
健磐龍命に追われた阿蘇都媛命は日向国三田井高千穂に逃れ、阿蘇山を「火の国」の「火」として拝した。「阿蘇」の意味は「燃える岩」。
阿蘇神社の38km南東の宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井1037に高千穂神社が鎮座。祭神は皇祖神と配偶神で、天津彦火瓊瓊杵尊と木花開耶姫命、彦火火出見尊と豊玉姫命、彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊と玉依姫命、神武天皇の兄・三毛入野命とその妻子9柱。
阿蘇神社
高千穂神社
阿蘇都媛命の直系子孫の女性は代々阿蘇都媛を襲名し、憧賢木厳之御魂(つきさかきいつのみたま)となり、更に天疎向津比売命(あめさかるむかつひめのみこと)となり、天照大日霊女命(あまてらすおおひるめのみこと)に至ったと云う。
阿蘇から播磨にやってきて、針間(播磨)阿宗君の祖となった息長日子王(神功皇后の弟、針間阿宗君の祖、吉備品遅君の祖)が、「阿宗神社」(あそうじんじゃ、兵庫県たつの市誉田町広山)に祀られており、全国に阿宗、安蘇、阿曽などの氏族となった。
本来の阿蘇氏は阿蘇都彦と阿蘇都媛を氏神とした。
魏志倭人伝に記載の「対蘇国」は「阿蘇国」の間違いで、「蘇奴国」は「豊国(菟狭国)」、「華奴蘇奴国」も古(いにしえ)の「豊国(古の菟狭国)」であると云う。
昔は華奴蘇奴国と蘇奴国は一体であったが、その後に分かれたと云うことかな?
印南神吉 メールはこちらへ nigihayahi7000@yahoo.co.jp
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