神のともしび、人類の光 -メノラーの神秘-
先月に引き続き、この「イスラエル・ティーチング・レター」シリーズに、ゲストを招待します。今月は、ジョン・D.・カル博士です。哲学・神学博士であるカル氏は「RestorationFoundation(レストレーション・ファンデーション)」という団体の設立者であり、『Restore!(再建せよ!)』誌の編集者でもあります。聖書的シンボルである7枝の燭台「メノラー」について、すばらしい学びが展開されます。
ジョン・D.・カル博士のメノラーに関する学び
聖書には数々のシンボル(象徴)が出てきますが、中でもメノラーは特別です。その流れるような線を描いて左右対称を成す優美な姿……。美的見地から言っても芸術品としてすばらしいものですが、その域をはるかに超えて、聖なる神を表す存在であることを、見る人々の心に呼び起こします。それは、地上の職人がいかに想像を働かせても造ることができない、天が与えたデザインだからです。
もともとは、荒野に造られたイスラエルの幕屋の聖所内を照らす明かりとして、神がモーセに命じて作らせたものです。ユダヤ人にとっては単なる道具以上に、シンボルとして大きな意味をもつものとなりました。1900年という長い空白の時を経て、イスラエルが現代によみがえった際も、国家の再生を記念し、ユダヤ人の共通意識の中にその重要性をとどめるために、メノラーが最高のシンボルとして選ばれ、今も重んじられています。
メノラーの製作については、聖書の中でも特に細部にわたって記録されています。「また、純金の燭台を作る。その燭台は槌で打って作らなければならない。それには、台座と支柱と、がくと節と花弁がなければならない。六つの枝をそのわきから、すなわち燭台の三つの枝を一方のわきから、燭台の他の三つの枝を他のわきから出す。」(出エジプト25:31-32)
メノラーは、光の源であられる神ご自身を表す実物的な象徴でした。その中心の燭台を「ネル・エロヒーム(神のランプ)」とユダヤ人たちは呼んでいます。ダビデは神を次のように賛美しました。「主よ。あなたは私のともしび。主は、私のやみを照らされます。」(IIサムエル22:29)。それゆえイスラエルの民は、メノラーの中に、暗闇を照らし出される光としての神を見いだすようになりました。詩篇の記者は神を「あなたは光を衣のように着、……」(詩篇104:2)と表現しています。神の威光は、神殿の中で燃え輝く、メノラーの光の中に豊かに表されていたのです。
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