2024年3月9日土曜日

阿多カルデラ - Wikipedia

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阿多カルデラ

阿多カルデラ(あたカルデラ)は、鹿児島湾南端にあるカルデラ姶良カルデラ鬼界カルデラの中間に位置する。

概要

薩摩半島南部と大隅半島南部に広く分布する阿多テフラと呼ばれる火山噴出物の起源として、池田湖の北西部に延びる鬼門平(おんかどびら、おんかびら)断層を西北端、大隅半島西岸を東南端とする南北約14km、東西約24kmの楕円形領域に広がるカルデラを1940年代に松本唯一が提案し、西側の指宿カルデラと東側の肝属カルデラが複合したものと考えられていた。その後1980年代にかけて調査が進み、阿多テフラはこのカルデラより約20km北側の鹿児島湾内にある別のカルデラから噴出したと考えられるようになった。南側のカルデラは阿多南部カルデラ、北側のカルデラは阿多北部カルデラと呼ばれる。

阿多北部カルデラは火砕流を伴う噴火と陥没を繰り返しており、約11万年前の大噴火においては、阿多北部カルデラから阿多テフラが噴出した直後に阿多南部カルデラでも陥没が発生したと考えられている。この大噴火の後、阿多南部カルデラ内部に鷲尾岳、清見岳など新期指宿火山群と呼ばれる火山群が形成された。約5500年前には阿多南部カルデラ西北縁部で大噴火が起こり池田湖(池田カルデラ)が形成された。これとほぼ同時に発生したマグマ水蒸気爆発により山川湾、成川盆地、鰻池、池底、松ヶ窪などの噴火口群が相次いで形成された。その後、鍋島岳や開聞岳が形成され現在に至っている。

阿多南部カルデラ内部にある池田湖から山川湾にかけてのカルデラおよび噴火口群は池田山川としてランクCの活火山に指定されている。カルデラの西縁には同じくランクCの活火山開聞岳がある。指宿市の領域はほぼ阿多南部カルデラ内西側にあり、指宿温泉がある。

主な噴出物

  • 年代未詳(阿多テフラ以前)
    • 古期指宿火山群:矢筈岳、小浜岳、高江山など。
    • 中期指宿火山群:大野岳、魚見岳など。
  • 約24万年前
    • 阿多鳥浜火砕流(Ata-Th):噴出場所は阿多南部カルデラ。体積は100km3(60DREkm3)以上。
  • 年代未詳
    • 阿多丸峯降下軽石(Ata-Mr):体積は約2km3
  • 約10.5万年前:阿多テフラ(Ata)。噴出場所は阿多北部カルデラ。総体積約300km3(188DREkm3)。
    • 前半ステージ:マグマ水蒸気噴火マグマ噴火を交互に繰り返した。
      • 郡火山豆石質降下火山灰
      • 阿多降下軽石:体積は約100km3
      • 伊座敷火山豆石質降下火山灰
      • 佐多降下軽石
      • 阿多火砕流下部・中部:非溶結。広義の阿多火砕流。
    • 阿多火砕流中部から阿多火砕流上部の間に数ヶ月程度の時間間隙。
    • 後半ステージ:カルデラ噴火。
      • 阿多火砕流上部:強溶結。狭義の阿多火砕流。体積は約110km3
      • 阿多火山灰:体積は約110km3
      • 竹之浦降下火山灰
  • 約10-1.9万年前
    • 新期指宿火山群:鷲尾岳、清見岳など。体積は合計約15.2DREkm3
  • 約5500年前:池田湖テフラ。体積は合計約3km3(0.92DREkm3)。
    • 池崎火山灰(Iz-a)
    • 尾下スコリア(Os-s)
    • 池田降下軽石(Ik-p)
    • 池田火砕流(Ik):数回に分けて噴出。
    • 池田降下火山灰(Id-a)
  • 約4500年前
    • 鍋島岳:池田湖の南縁に形成された溶岩ドーム。
  • 約4000-1000年前
    • 開聞岳:体積は約8km3(3.8DREkm3)。

参考文献

  • 町田洋他編 『日本の地形7 九州・南西諸島』 財団法人東京大学出版会、2001年、ISBN 4-13-064717-2
  • 指宿市役所総務課市誌編さん室編 『指宿市誌』 指宿市長肥後正典、1985年。
  • 山川町編 『山川町史(増補版)』 山川町長中村治男、2000年。

関連項目

外部リンク


VEI7以上、*はVEI8、kaは1,000年前、Maは100万年前を示す単位

ベネット(英語) (50Ma) | スカコム英語版 ラガリータ (27.8Ma)* | メイリースベイル英語版 (23Ma) | メイリースベイル英語版 (19Ma) | イエローストーン (16.548Ma) | イエローストーン (15.8Ma) | イエローストーン (15.7Ma) | イエローストーン (15.6Ma) | イエローストーン (15.6Ma) | イエローストーン (15Ma) | 南西ネバダ (13.25Ma) | 南西ネバダ (13Ma) | 南西ネバダ (12.8Ma) | 南西ネバダ (12.7Ma) | 南西ネバダ (11.6Ma)* | 南西ネバダ (11.45Ma) | イエローストーン (11Ma)* | パストス・グランデス英語版 (8.3Ma) | 南西ネバタ (7Ma) | イエローストーン (6.62Ma)* | セロ・グアチャ英語版 (5.7Ma)* | イエローストーン (4.45Ma)* | パカナ英語版 (4Ma)* | セロ・グアチャ英語版 (3.5Ma) | パストス・グランデス英語版 (2.9Ma) | イエローストーン (2.2Ma)* | ガラン英語版 (2.2Ma)* | 玉川 (2Ma) | タティオ英語版 (1.9Ma) | 十勝 (1.9Ma) | アティトラン (1.8Ma) | バイアス英語版 (1.78Ma) | 穂高 (1.75Ma)* | ボルシェ・バナイヤ (1.7Ma) | マンガキノ (1.63Ma)* | バイアス英語版 (1.47Ma) | 小野 (1.4Ma) | マンガキノ (1.4Ma) | イエローストーン (1.3Ma) | マンガキノ (1.24Ma)* |; バイアス英語版 (1.15Ma) | ベイカー (1.149Ma) | カリムスキー (1.13Ma) | 十勝 (1.1Ma) | マンガキノ (1.01Ma)* | 十勝三股 (1Ma) | 玉川 (1Ma) | 成岡 (1Ma) | 猪牟田 (1Ma) | コルベッティ英語版 (1Ma)* | マンガキノ (970ka) | トバ (840ka) | カラボソス英語版 (800ka) | ロングバレー英語版 (759ka)* | アカトラン英語版 (650ka) | イエローストーン (640ka)* | 霧島 (600ka) | ラナウ英語版 (550ka) | オカタイナ英語版 (550ka) | 小林 (525ka) | コルベッティ英語版 (500ka) | 姶良 (500ka) | コパウエ (500ka) | ロスメロス英語版 (460ka) | 姶良 (456ka) | ディアマンテ (450ka) | 白頭山 (446ka) | ブラッチャーノ英語版 (374ka) | ラツィアーレ英語版 (360ka) | マロア (335ka)* | 加久藤 (325ka) | カラボソス英語版 (300ka) | ブルシーニ (300ka) | マニンジャウ英語版 (280ka) | ハロハロ (280ka) | オカタイナ英語版 (280ka) | 阿多 (240ka) | シャラ英語版 (240ka) | レポロア英語版 (230ka) | マロア (230ka) | オカタイナ英語版 (225ka) | ロトルア (220ka) | 阿寒 (175ka) | イエローストーン (173.1ka) | コス (161ka) | カラボソス英語版 (150ka) | 阿蘇(Aso3) (130ka) | 屈斜路 (117.5ka) | 洞爺 (114ka) | 阿多 (105ka) | ブルシーニ (100ka) | 鬼界 (95ka) | 阿蘇(Aso4) (87ka)* | アティトラン (84ka) | トバ (73ka)* | マニンジャウ英語版 (52ka) | オカタイナ英語版 (50ka) | ネモ (45ka) | オパラ英語版 (45ka) | 支笏 (44ka) | ウゾン英語版 (42ka) | クリル湖 (41ka) | ポアス (40ka) | 屈斜路 (39ka) | ゴレーリ英語版 (39ka) | フレグレイ (37ka) | 姶良 (30ka) | タウポ (26.5ka)* | セミソポシュノイ英語版 (9.95ka) | クリル湖 (8.455ka) | クレーターレイク (7.692ka) | 鬼界 (7.3ka) | セロ・ブランコ英語版 (4.3ka) | サントリーニ (BC1628) | タウポ (181) | 白頭山 (946) | リンジャニ (1257) | タンボラ (1815 詳細)

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