壬申の亂の治つた後の歌。二首
4260 大君は神にし在せば、赤駒のはらばふ田居を、都となしぬ
4260 天皇陛下は、神樣のやうに尊く入らつしやるから、赤馬が葡うて居る田圃を、忽然として、人家の櫛比した都とせられた。不思誘なお力だ。
右は、故大將軍贈右大臣大伴(ノ)御行の歌。
4261 大君は神にし在せば、水鳥の集く水沼を、都となしぬ
4261 天皇陛下は、神樣のやうな不思議なお方だから、水鳥の集つて棲んで居る沼をば、都とせられたことだ。
右は、作者知れずである。
右二首、天平勝寶四年二月二日に聞きとつたものである。
0 件のコメント:
コメントを投稿