2024年3月16日土曜日
[現代語訳]是でも武士か 単行本(ソフトカバー) – 2024/4/2 J・W・ロバートソン・スコット (著), ルイ・ラマカース (イラスト), 大高 未貴 (解説), 和中 光次 (翻訳)
出版社より
第一次世界大戦中、英国は反独世論を高めるために、世界中で反独宣伝を展開した。本書はその一環であり、英国が日本に向けて送り込んだ反独文書である。
全編を通じ、ドイツ軍によるベルギー人女性・子供・聖職者等に対する残虐非道の数々が描かれている。この残虐宣伝によって義憤にかられた英国青年たちは続々志願兵となり、高まる米国人の反独感情が米国参戦の圧力となった。そししてそれが大戦の帰趨を決したとされる。当時米国内で反独残虐宣伝に煽られた人々の姿は、ジェームズ・ディーン主演の映画『エデンの東』でも描かれている。
第一次世界大戦で大成功を収めたこの残虐宣伝は、その後日本に対しても仕掛けられることになる。支那事変における「南京大虐殺」プロパガンダは、中国国民党がその宣伝の手法を学び、取り入れたものである。「レイプ・オブ・ベルギー」という言葉は、「レイプ・オブ・ナンキン」に置き換わり、赤ちゃんを銃剣で串刺しにするドイツ兵は、日本兵に置き換わった。終戦後も「南京大虐殺」だけではなく「731部隊」「従軍慰安婦」「捕虜虐待」等の反日宣伝が執拗に繰り返され、日本軍の残虐性は世界に定着することになる。
大東亜戦争中、日本の対米謀略放送を指導した池田徳眞(十五代将軍徳川慶喜の孫)は、本書を「残虐宣伝の不朽の名著」と呼んだ。その斬新かつ強烈な内容から、池田は本書を対外宣伝の教科書とし、そこから進んだ英国の宣伝技術とプロパガンダの本質を学んだ。
旧制中学時代、父の書棚にあった本書を読んだ池田は、自身のドイツ人観が一生歪められてしまったという。ラマカースの不気味な風刺画を効果的に配置し、読者にドイツ人への心理的嫌悪感を与えるよう構成された本書の威力は、それほど凄まじいものであった。
『是でも武士か』というタイトルは、武士道精神をもつ日本人は、これだけ卑劣なドイツ人をどう見るのか、と問うたものである。
原書の翻訳は、著者と親交の厚かった民俗学者の柳田国男(当時貴族院書記官長)が匿名を条件に引き受けている。
本書の絵にショックを受けた者は、ドイツ人は何と残忍なのかという印象をもたずにはいられなくなるだろう。
オランダの風刺画家ラマカースは、ドイツ軍のベルギー侵攻後、新聞紙上でドイツ軍の残虐行為を生々しく描写し、ドイツ人を野蛮人の如く描いた。英国の戦争宣伝局はラマカースに接触、彼の作品を用いて反独宣伝を展開した。米国では二千を超える新聞数億部に作品が掲載され、反独世論の形成に多大な影響を与えた。彼の作品の普及は、第一次世界大戦における最も強力なプロパガンダ活動とされる。
商品の説明
著者について
著者 J・W・ロバートソン・スコット J. W. Robertson Scott 1866 - 1962
英国のジャーナリスト兼作家。農村問題に関する著書でよく知られる。
いくつかの雑誌記者を経たのち、農村研究を名目に1915年に来日、1916年3月に駐日英国大使ウィリアム・カニンガム・グリーンの要請で日本向けの反独親英宣伝要員となり、プロパガンダ文書である『日本、英国及世界』、『英語と英国気質の研究』、そして本書の著者となった。英国の資金援助により翌1917年には日英語併記の月刊誌『The New East(新東洋)』(副題:東洋と西洋とにおける思想と自治問題)を創刊。本書の邦訳を担当した柳田國男と日本各地の農村を調査し、1919年に帰国後、柳田との旅をもとに『The Foundation of Japan(日本之真髄)』(1922年)を執筆。英国の農村を取り上げた『England's Green and Pleasant Land』(1925年)はベストセラーとなる。1949年にオックスフォード大学から名誉修士号を取得。
画家 ルイ・ラマカース Louis Raemaekers 1869 - 1956
オランダの風刺画家。
ドイツ軍のベルギー侵攻後、新聞紙上でベルギーにおけるドイツ軍の残虐行為を生々しく描写し、ドイツ人を野蛮人の如く描いた。彼の作品は、オランダの中立を危険にさらすものとして政府から警告を受ける。その後活動の拠点を英国に移すと、彼の作品展は大盛況となり、新聞に掲載された作品も話題となった。英国の戦争宣伝局はラマカースに接触し、彼の作品を用いて反独プロパガンダの世界的展開を行った。『Raemaekers Cartoons』は18カ国語に翻訳され、世界中に配布された。作品展も世界各国で開催され、その作品は画集、小冊子、ポスター、絵葉書、トレーディングカードとなって大量に流通した。米国でも二千を超える新聞数億部に作品が掲載され、米国における反独世論の形成に多大な影響を与えた。このラマカースの作品の世界的普及は、第一次世界大戦における最大のプロパガンダ活動とされる。
現代語訳 和中 光次 わなか みつじ
翻訳者。主な翻訳書に『英国人捕虜が見た大東亜戦争下の日本人―知られざる日本軍捕虜収容所の真実』(ハート出版)がある。
解説者 大高 未貴 おおたか みき
ジャーナリスト。1969年生まれ。フェリス女学院大学卒業。
世界100カ国以上を訪問。チベットのダライラマ14世、台湾の李登輝元総統、世界ウイグル会議総裁ラビア・カーディル女史、ドルクン・エイサ氏、パレスチナガザ地区ではPLOの故アラファト議長、サウジアラビアのスルタン・ビン・サルマン王子などにインタビューする。またアフガン問題ではタリバン全盛の1998年、カブールに単独潜入し、西側諸国ではじめてアフガン崩壊の予兆を報道。
『「日本」を「ウクライナ」にさせない!』『習近平のジェノサイド 捏造メディアが報じない真実』『日本を貶める「反日謝罪男と捏造メディア」の正体』(WAC)、『ISISイスラム国 残虐支配の真実』(双葉社)、『冒険女王 女ひとり旅、乞食列車一万二千キロ!』(幻冬舎文庫)など著書多数。
登録情報
出版社 : ハート出版 (2024/4/2)
発売日 : 2024/4/2
言語 : 日本語
単行本(ソフトカバー) : 336ページ
ISBN-10 : 4802401752
ISBN-13 : 978-4802401753
寸法 : 2 x 15 x 21 cmAmazon 売れ筋ランキング: - 128,952位本 (本の売れ筋ランキングを見る) - 6位ナチス関連
- 13位虐殺関連
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著者について
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和中 光次
関西出身、東京都在住。システムエンジニアとして勤務しながら、海外の貴重な文献などを、数多く日本に紹介してきた。twitterでは第二次世界大戦における捕虜問題や“戦犯”問題についてよくツイートしている。猫を飼っている。
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