幻の名器「芦屋釜」を復元 薄さ2ミリの再現へ試行錯誤
八木孝弘(鋳物師)
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「浜松図真形釜」。東京国立博物館が所蔵する重要文化財指定品を元に、当初の姿に復元した
「芦屋釜」は茶道界で珍重される茶釜だ。響灘に面した福岡県芦屋町で、南北朝時代に製作が始まった。3ミリが限界といわれる鋳物の世界で、わずか2ミリの薄さを実現して一世を風靡したが、江戸時代初期に途絶えて製法が分からなくなり、幻の名器となる。1995年に町が復元に向けて動き出し、私は鋳物師として一翼を担ってきた。
杓(しゃく)の中で真っ赤に煮えたぎる湯(溶けた鉄)を、鋳型に流し込む。全神経を集中させる
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