旧約聖書は漢字で書かれていた: 「創世記」が語る中国古代文明の真実
C・H・カン(C.H. Kang)とエセル・R・ネルソンの共著『』 は、「漢字の成り立ちには、旧約聖書の『創世記』に登場する人類共通の記憶(天地創造、エデンの園、ノアの洪水など)が刻まれている」という驚きの仮説を提唱した名著です。
タイトルは『旧約聖書は漢字で書かれていた』ですが、内容は逆で、「漢字は旧約聖書でつくられていた」が正解です。
古代の中国人は本来、唯一の存在である「上帝(シャンディ)」を信仰する一神教的な文化を持っており、バベルの塔の言語混乱によって東方に移動してきた人々が、当時の記憶をもとに漢字(象形・会意文字)を組み立てたのではないか、と著者は考察しています。
同書から、とくに重要で分かりやすい10個の漢字の具体例をエピソードごとにご紹介します。
1. 人類の誕生とエデンの園
- ①「造」(つくる)分解: 𠂇(=ノ、生命の息吹) + 土 + 口 + 辶(しんにょう:歩く・進む) 聖書との結びつき: 創世記2章7節の「神は土のちりで人を造り、その鼻にいのちの息(ノ・口)を吹き込まれた。人は生きるものとなり、そして歩きだした(辶)」という最初の人間の創造プロセスそのものを表しています。
- ②「元」(はじめ)分解: 二 + 人 聖書との結びつき: 人類の歴史の「根元(はじめ)」は、神が造ったアダムとイブの「二人」の人(夫婦)から始まったことを示しています。
- ③「完」(かんぜん、おわる)分解: 宀(うかんむり:屋根・家) + 元(二人の人) 聖書との結びつき: 最初のエデンの園という「家(宀)」に「二人の人(元)」が揃ったことで、神の創造のわざが完全に終了(完成)したことを意味します。
2. 禁断の果実と悪魔の誘惑
- ④「禁」(きんじる)分解: 林 + 示 聖書との結びつき: エデンの園の中央には「命の木」と「善悪の知識の木」の2本の木(=林)がありました。神(=示、神仏に関わる部首)が、その木の実を食べるなとアダムたちに「示し、禁じた」ことに由来します。
- ⑤「魔」(悪魔・サタン)分解: 广(まだれ:隠れる場所・園) + 林 + 鬼 聖書との結びつき: エデンの園(广)の2本の木(林)に身を隠し、イブに近づいて神の言葉を疑わせた存在が「鬼(悪魔)」であることを証明しています。
- ⑥「婪」(むさぼる)分解: 林 + 女 聖書との結びつき: 2本の木(林)の前で、悪魔にそそのかされた女性(女=イブ)が、禁じられた果実を「欲しい、食べたい」とむさぼった姿を描いています。
- ⑦「始」(はじまる)分解: 女 + 台(口 + 厶=私的な、秘密の) 聖書との結びつき: 人類の罪と苦難の歴史の「始まり」は、女性(女)が秘密裏に(厶)甘い言葉(口)にだまされて果実を口にしたときから始まったと解釈されます。
3. ノアの洪水とバベルの塔
- ⑧「船」(ふね)分解: 舟 + 八 + 口(人・人口を表す) 聖書との結びつき: 同書の中でもとくに有名な例です。世界が洪水で滅んだ際、巨大なノアの箱舟に乗って生き残った人間は、ノア夫婦、3人の息子夫婦の「合計8人(八つの口)」だけでした。大きな舟に8人の人間が乗っているから「船」なのです。
- ⑨「塔」(とう)分解: 土 + 艹 + 合 + 人 聖書との結びつき: 神に反逆して天に届く建造物を作ろうとした「バベルの塔」の事件。世界中の人間(人)が合わさり、土や藁(艹)をレンガにして作った大きな建物を表現しています。
4. 救済への信仰
- ⑩「義」(ただしい)分解: 羊 + 我(わたし) 聖書との結びつき: 聖書では、人間は自力では正しくなれず、罪のない「小羊(救い主)」が身代わりとなることで神に義と認められます。自分の上(頭上)に羊をいただく姿(=我の上に羊がある)こそが、聖書の語る「義(正しいこと)」の概念と完全に一致しています。
考察
現在の漢字言語学(甲骨文字の研究など)の視点からは「偶然の一致」や「こじつけ」と扱われることも多い仮説です。
ところが、漢字を作った人々「漢人=あや / Aya の人」は、じつは「アーリア人 / Aryans」、つまり、「インド・ヨーロッパ語族(印欧語族)の一派である」という説もあり、漢字の創作者が西方で聖書に深く触れていた可能性は十分にあると思います。
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