346 102 ヘブライ語文法綱要 第13章 活用について 118 なってしまうだろう。
[9] そこで、これら〔諸活用] をもっと容易な秩序に沿って教えることがで
きるよう、われわれとしては諸活用を以下のように〔構成文字の音韻的特
徴に沿って〕 八つに分けよう 〔13〕。 それらのうち、 不定詞がいかなる喉音
字も休音字も含まずに成っているような諸動詞形の活用を、 第一 〔活用〕
とする。 第二〔活用〕 とは、不定詞が x 〔アレフ〕で終わる諸動詞形のもの。
第三〔活用〕は、不定詞が 〔へー] で終わる諸動詞形のもの。 不定詞が
〔ヘット〕 または 〔アイン]または〔レーシュ〕のいずれか [14]で終わる 〔諸
動詞形の]第四〔活用〕。不定詞の第一文字が,〔ヨッド]である第五〔活用〕。
不定詞の中央文字が休音の 〔ヴァウ〕、〔ヨッド〕、〔アレフ]のいずれ
かである第六〔活用〕。 不定詞の第一文字が x 〔アレフ〕、〔ヘー〕、〔ヘッ
ト〕、〔アイン〕 のいずれかである第七〔活用〕。 不定詞の中央文字が喉音
字 〔ヘット〕、〔アイン〕 または休音でない 〔アレフ〕、あるいはホ〔へ
-] のいずれかである第八 〔活用]。 ただし時間、 叙法、 そして活用全般に
関することはすでに十分述べたことと思う。
[10] とはいえ、動詞形が過去と未来のいずれかに結び付けられているか、
さもなくば命令法におかれた形容詞であると私が述べてきたこと、そし
てまた不定詞が私にとって実詞化された形容詞以外の何物でもないと言
ったことは、他の諸言語によく慣れ親しんだ読者諸賢の多くがともすれ
ば不条理と思われることだろう。さらにもう一つ不条理だと考えられる
であろうことを述べておく。 名詞は明らかに対格〔目的語]を支配する。
それが名詞の本性に背馳しないことは、抽象化された形で行為を表現す
る名詞が対格あるいはそれぞれの動詞形に属する [対格以外の格を支配
するところのヘブライ語そのものが自ら立証している。 具体例として
「イスラエルの子らに対する神の愛」 (Amor Dei erga filios Israelis) は聖書
において すなわち 「神のイスラエルの子らを
愛」 (amor Dei filios Israelis) のような形で表現されている。 すなわち「愛」
J
音
103
(amor)という名詞 (15〕が、 あたかもその〔対応する] 動詞形 278 すなわち
「………... を愛すること」 (amare) であるかのように対格を支配しており 〔16〕、
これと同様の多くの他の例が見出されるのだが、それらについては統語
論〔の部〕に〔ひとまず描く〕。 [11] とはいえ、この理由から、 上述したような〔行為を表示する実詞とし
ての]名詞そのものを不定詞として用いても構わないことをここで看過
すべきではない。ちょうど(直訳すれば〕[神に対する愛に」
(amori Deum) を 「神を愛するために」 (ad amandum Deum) [の意味〕として、
???「神に対する畏怖に」 (timori Deum) を 「神を畏れるために」
「そこでの罪過に〔17〕」
(nd timendum Deum)としてとり、 他に
(debito in ea) など、 同じやり方で多くの例がある。
119
0 件のコメント:
コメントを投稿