2026年1月29日木曜日

丸石神 | 遠山孝之, 中沢厚, 石子順造, 小島福次, 中沢新一, 堀慎吉



伝説の書『丸石神 庶民のなかに生きる神のかたち』(1980年/木耳社)を再編集し、中沢新一の書き下ろし論考「『丸石神』の残したもの」を増補した新装決定版。

山梨県をはじめ九州、四国、南紀には、大小あわせて数千にあまる自然石の丸石が道祖神や屋敷神としてさりげなく祀られ、まろやかな調和のうちに太古のまどろみを続けています。なぜ丸石を神として祀るのか、日本人の神観念や美の感覚とそれはどう関わっているのか、今もなお生活の場に生きつづける丸石神は、人々の日々の営みとどのようにわたりあい、どのような過去をたどってきたのか。そもそもいかにして丸石は形成されたのだろうか……。1970年代、丸石神をめぐるさまざまな謎を研究する民俗学者や美術家たちの集団がありました。本書は、その丸石神調査グループによるユニークな知的冒険の記録であり、中沢新一が「私の原点」と語る貴重な書籍の増補新版です。

当時の雰囲気をそのまま再現した色彩の美しいカラー写真と、ダブルトーン印刷で表現したモノクローム写真をグラビアページに129点収録。本文中には資料的価値の高い図版を100点以上掲載。巻末には調査グループのメンバーを集合写真にて紹介し、引用の出典元を主要参考文献としてまとめました。


著者について

中沢厚 1914年、山梨県に生まれる。武田久吉博士に師事し、農山村の民俗調査を続け、特に40年にわたって道祖神研究にたずさわる。日本石仏協会々員、山梨郷土研究会々員。著書に『山梨県の道祖神』(有峰書店)、『つぶて』(法政大学出版局)、『石にやどるもの 甲斐の石神と石仏』(平凡社)。1982年没。

石子順造 1928年、東京に生まれる。1952年東京大学経済学部卒。1957年まで同大学院で美術史を専攻。以後美術・演劇・マンガ等の批評活動を続け、民衆の情念と想像力に視座をすえた表現論を展開する。1977年7月没。著書に『俗悪の思想』『キッチュの聖と俗』『表現における近代の呪縛』『現代マンガの思想』『小絵馬図譜』『子守唄はなぜ哀しいか』『石子順造著作集 全3巻』『マンガ/キッチュ 石子順造サブカルチャー論集成』など。2010年には「石子順造と丸石神展」が開催される。

小島福次 1936年、埼玉県に生まれる。東京芸術大学油絵科大学院卒。1960年代後半より70年初めにかけて現代美術の活動を行なう。現代日本美術展などに出品。その後石彫制作に専念。1990年に「小島福次 石彫展」を開催。2015年没。

中沢新一 1950年、山梨県に生まれる。1972年東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。 南西諸島の民俗学調査、大衆芸能の記号論研究、チベット仏教の実践的研究などにたずさわる。主な論文に『斬り殺された異人』(『伝統と現代』第38号1975年)『街路の詩学―記号論分析にむけて』(『思想』1977年10月号)など。訳書にブーイサック『サーカス』(せりか書房1977年)アウエハント『鯰絵』(共訳・せりか書房1980年)など。中央大学教授、多摩美術大学芸術人類学研究所所長、明治大学野生の科学研究所所長などを歴任。現在は京都大学人と社会の未来研究院特任教授。著書に、『チベットのモーツァルト』『雪片曲線論』『森のバロック』『はじまりのレーニン』『フィロソフィア・ヤポニカ』『精霊の王』『僕の叔父さん 網野善彦』『アースダイバー』『鳥の仏教』『野生の科学』『レンマ学』『精神の考古学』『構造の奥 レヴィ=ストロース論』ほか多数。

遠山孝之 1939年、東京に生まれる。通信社勤務、報道写真を経て広告写真スタジオを設立。李朝の美術を数年にわたり取材、また欧米の建築文化、生活文化を撮影。近年はアジアの仏教国を訪れ、遺跡や人々の暮らしを取材。写真集に、『李朝民画』『李朝工芸』『ヨーロッパの窓1・2』『Chairs―椅子―』『ノエル―聖夜を飾る―』『DOORS』『Historic Rings』『褪せた地図 FADED MAP American on the back roads』など。個展に、「IN AND OUT」「丸石神」「広場の椅子」「クリスマス 聖夜を飾る」「大地の原音 カンボジア」「不変の祈り ミャンマー」「風の谷 ブータン」「薔薇の刻」「インド洋の滴 スリランカ」ほか多数。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ カノア
  • 発売日 ‏ : ‎ 2026/3/5
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 本の長さ ‏ : ‎ 268ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4910029052
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4910029054




5つ星のうち5.0 さやります卵形の神々2026年3月14日に日本でレビュー済み


中沢新一の父・中沢厚は、武田久吉に師事する在野の民俗学者。厚の著書『山梨県の道祖神』に紹介されていた丸石神に着目したのが、幅広い現代美術批評を展開していた石子順造。石子は芸術家の仲間たちと厚の元を訪ねる、そんな邂逅からはじまる元本を約半世紀ぶりに復刊。ありがたい。

古より路傍にたたずむ道祖神がなぜ丸い石なのか。人はなぜ丸石に惹かれるのか。古とはいつの時代のことか。いかにして石は丸くなったのか。海を持たない山梨県の丸石と全国に点在するそれとの一致と相違。丸石神をこれほど多角的に論じた本をほかに知らない。コマーシャルフォト業界で活躍する遠山孝之の写真は美しいし、新一が復刊のために書き下ろした論考と、二十代半ばだった当時の文章を読み比べるのもたのしい。

丸石神にはロマンがある。諸星大二郎の作品テーマとなり、最近ではダンダダン、呪術廻戦、地獄楽ほか多くの人気マンガのなかに見え隠れする丸石神。オカルトや民俗学のブーム再燃を横目に、今日も私たちの暮らしを静かに見守っている



持っていて楽しい本である。表紙の印刷もタイトル部分がざらざらしていて凝っている。写真もいい。

民俗学と現代アートの出会いだそうだ。

科学的分析が足りないような気もするがそれはこれからの課題だろう。

中沢厚氏の論考が1/3以上を占め単著といっても文句は出ないくらいの充実度だが、他の著者が悪いというわけではない。間口の広さはやはり必要ということだろう。

丸石に関しては海洋民族がバラストに使ったという説を自分は捨てきれないと思う。特に分布するはずのない場所の丸石に関しては。

本書は値段以外は文句がない。

旧版の高騰を考えればむしろありがたい。


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純正律のヤバさ公開 https://youtu.be/_Ypi5imqG_s?si=7gfgN731Nl0tTt_u @YouTubeより

 純正律のヤバさ公開 https://youtu.be/_Ypi5imqG_s?si=7gfgN731Nl0tTt_u @YouTubeより https://youtu.be/_Ypi5imqG_s?si=7gfgN731Nl0tTt_u