2025年3月8日土曜日

「9日間の女王」、悲運の少女ジェーン・グレイの生前唯一の肖像画か 英(CNN.co.jp) - Yahoo!ニュース

「9日間の女王」、悲運の少女ジェーン・グレイの生前唯一の肖像画か 英(CNN.co.jp) - Yahoo!ニュース

「9日間の女王」、悲運の少女ジェーン・グレイの生前唯一の肖像画か 英

(CNN) 10代の若さで英チューダー王朝の権力闘争に翻弄され、イングランドをわずか9日間統治したのち、大逆罪で処刑されたジェーン・グレイ。研究者はいま、そんな「9日間の女王」の生前に描かれた唯一の肖像画を突き止めた可能性があると見ている。 【画像】スキャンで浮かび上がった当初の肖像 イングランドでは1553年のエドワード6世死去後、良心に欠ける政治家たちが熱心なプロテスタントだった若いジェーンを王位に就けた。カトリック教徒のメアリー・テューダーが女王に就任するのを阻むためだった。 この謎めいた肖像画は、個人コレクションから英文化財保護機関「イングリッシュ・ヘリテージ」に貸し出されたもので、白い帽子とショールをまとった控えめな装いの若い女性が描かれている。 イングリッシュ・ヘリテージによると、絵は1701年、第11代ケント伯爵だったアンソニー・グレイがジェーン・グレイの肖像として入手した。以来、イングランド史上最も短命な君主の「決定的肖像」として扱われてきたが、21世紀になって美術史家がその来歴に疑問を呈し、ジェーン本人説を否定していた。 この疑問を解決するため、イングリッシュ・ヘリテージはロンドンのコートールド美術研究所や年輪年代学の専門家と協力し、技術的な分析を試みた。イングリッシュ・ヘリテージでコレクションの保存を担当するレイチェル・ターンブル氏が、7日発表の声明で明らかにした。 声明によると、絵が描かれた板を年輪年代法で調べた結果、おそらく1539年~71年前後の時期に制作に用いられたとみられる。 板は異なる2本の樹から取られたバルティックオーク材2枚を継ぎ合わせて作られている。裏面に商人や貨物を示す印があり、ジェーンの前の国王エドワード6世の肖像画に残された印と似ているという。 イングリッシュ・ヘリテージによれば、赤外線反射法を使ったスキャンの結果、当初の肖像画の完成後、女性の服装や顔に大幅な修正が加えられていたことも判明した。 肩に掛けられた白いスカーフは後に描き加えられたものと考えられている。 スカーフの下の右腕に巻かれているバンドはもともと、今は隠れている大きな装飾袖の一部だったか、かつて二の腕に掛けられていた別のスカーフが消された跡の可能性があるという。 髪を覆うリネンの帽子(コイフ)も、当初の形状から大きく修正されている模様だ。スキャンでは異なる形状のコイフ、さらにはコイフの上から着用する派手なフードとみられるものが顔の周囲に確認できる。一時はベールも描かれていて、後に塗り消された可能性があると研修者は示唆している。 こうした修正箇所に加え、ジェーンの目や口、耳の部分が引っかかれて削られており、宗教的もしくは政治的な理由で絵が傷つけられた可能性が高い。ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーにある死後作成のジェーンの肖像画にも、同様の跡が見られるという。 一連の変更は絵に落ち着いた雰囲気を与え、ジェーンを慎み深いプロテスタントの殉教者として描き出す目的で加えられた可能性があるとも言い添えた。 ターンブル氏は「絶対にレディー・ジェーン・グレイだと断定はできないが、私たちの分析結果に説得力があるのは間違いない」と話す。 「一時はもっと豪華な衣装が描かれていた可能性を示す新たな証拠、彼女の存命時のものと推定される板材の年代、さらには意図的に削られた目の部分――。これらを踏まえると、私たちは元々もっと女王らしく描かれていたジェーン・グレイの肖像の影を見ている可能性がある。彼女の死後にトーンダウンされ、慎み深いプロテスタントの殉教者に描き直されたということだ。彼女の身元は別としても、我々の調査結果は魅力的だ」(ターンブル氏) ジェーンは父親が1551年10月にサフォーク公爵に叙されて以降、多くの時間を宮廷で過ごした。 ジェーンがプロテスタントだったことから、ノーサンバランド公爵のようにイングランドの宗教改革を支持する人物にとっては、格好の王位候補者となった。ノーサンバランド公はジェーンと息子を結婚させると、彼女を王位継承者にするよう死期が近いエドワード6世を説得した。 エドワード6世は1553年7月6日に死去。女王になる話を初めて聞かされ気絶したというジェーンは、その4日後に王位に就くことになった。 だが7月19日には、法律上もヘンリー8世の遺言上も正当な継承者とされ、民衆の支持を得ていたエドワード6世の姉、メアリー・テューダーに王座を明け渡した。 その後、大逆罪に問われたジェーンは有罪を認め、1554年2月12日に斬首された。16歳だった。 この肖像画は現在、イングランド東部ベッドフォードシャー州にある邸宅「レストパーク」で展示されている。 ◇ 原文タイトル:Is this the only known portrait of England's doomed 'Nine Days Queen'? (抄訳)

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