日本民族は地中海にいた!?
気になっていた文献を読んでいる。明治時代は男女のスキャンダルの歴史の観点からとらえても面白い時代だ。明治34年、歌人、与謝野鉄幹は妻と離縁し、愛人、鳳晶子と結婚しようとしていた。文化人としての地位を確保していた鉄幹にとっては致命的なスキャンダルなのだが、情熱の女晶子は優柔不断な鉄幹の態度は許せなかった。周囲の理解を得られない二人の恋の救世主が木村鷹太郎だった。バイロンの紹介者で日本で初めてプラトン全集を漢訳した木村は鉄幹の友人であり、見るに見かねた彼が二人の媒酌人となった。日本近代文学史の恩人でもあるのだ。
木村鷹太郎のことを知っている人は少ないと思うのだが、この人の研究していた古代ギリシャ文学は彼の思想にとてつもない影響を及ぼした。日本神話とギリシャ、ローマ神話の共通点を見い出し、言語的にも古代ギリシャ語と日本語の共通点の類似性に関する論文を発表した。その延長上に今までの歴史が間違っていると指摘し、1911年に『世界的研究に基づける日本太古史』を発表し、新史学という学問を世に問うた。
多くの人が一笑に付した新史学の内容を読むと彼の精神状態を疑ってしまうのだが、歴史のロマンに、彼の言葉を信じたい僕がいるのも確かだ。
日本語はラテン語、ギリシャ語と同系であり、日本民族は地中海から移動した。その移動の歴史が真の日本史であり、後年、それが日本列島内の歴史として改ざんされたのだ。イタリア語のブラボーと江戸っ子のべらぼうは同じ言語である。イタリアのベニスは日本の潮来をまねて造られた都市だ。古代ギリシャの哲学者とその思想は日本の高僧と同一だ。アネクシメネスは最澄だ。ヘラクレイトスが空海で、デモクリトスが法然、プロタゴラスが親鸞、ソクラテスが日蓮だ。シェークスピアの業績は近松門左衛門の業績だ。
愛媛県宇和島の出身で東京帝国大学を卒業した天才、木村が真面目に研究をしていたのだ。彼の誤りを指摘することも文献でしかできない。歴史学は現在的事実ではないのだ。
彼に思想的意図があるとは思えないので、真面目な研究者なのだ。
与謝野夫婦とのその後の交流はわからないのだが、当然、彼らにもこの研究は耳に入っているものと思われる。
木村鷹太郎の研究者は広島県呉市の大和ミュージアム館長の戸高一成だ。今度、お邪魔hしたときに館長に木村の話を聞いてみよう。
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