https://www.amazon.co.jp/ユダヤ人の歴史-古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで-中公新書-2839-鶴見-太郎/dp/4121028392
《ハシディズム 一八世紀半ば、ウクライナ西部では、そうした欲求が最高潮に達していた。その地に生まれたイスラエル・ベン・エリエゼルは、カバラーの知識こそ初歩的なものだったが、カリスマ性を備え、ちょうどイエスが行っていたように呪術で病人を癒し、祈りを通した神秘体験を伝えることで人気を博していた。やがて「バール・シェム・トーブ」(「よき信仰治癒者」の意、略してベシュト)の名で知られた彼は、あくまでもユダヤ教の枠内にとどまった。》
ゾンバルト評価への疑問
広く浅いのは良い。本書のようにハシディズムの祖であるイスラエル・ベン・エリエゼル(ベシュト)に触れた入門書は少ないだろう。エリエゼルはゴダールが『決別』の冒頭でショーレム経由で引用して話題になった。巻末のゼレンスキーやネタニヤフへの言及も興味深い。だが偏っているのは良くない。
例えば以下の記述。
《ドイツ人一般のなかでも、伝統社会が資本主義化のなかで失われていくことをよく思っていなかった者は、ユダヤ人の顕在化をその象徴としてもその原因としても、あるいは両者の区分けなく捉え、ユダヤ人を叩くようになった。 その背後には、ユダヤ人と経済を安易に結びつける発想があった。例えば、経済学者ヴェルナー・ゾンバルトが一九一一年に発表した『ユダヤ人と経済生活』という著作だ。同書は、ユダヤ教ではなくプロテスタンティズムにこそ近代資本主義の精神が見られるとするマックス・ヴェーバーの説に対抗して、ユダヤ人にこそ近代資本主義の源泉があると主張した。だがつまるところ、それは資本主義とユダヤ世界を同一視する、先のバウアーやマルクスらの主張の焼き直しにすぎなかった。》
こんなのはゾンバルトを読んでなくとも書ける。というか読んでないから書ける。
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