残念一転…高さ154メートル"滑り台" #この一枚【動画】
多額の建設費を投じながら、人気がなく「中国で最も失敗したランドマーク」(中国メディア)と呼ばれた遼寧省撫順市の巨大指輪状のオブジェを住民がすべり台代わりに使い、話題になっている。禁止の看板はあるものの、大人も子どももお構いなしで遊ぶ動画がインターネットで拡散。皮肉にも観光スポットとして再び注目を集めている。
「生命の輪」と名付けられたオブジェは、遼寧省の省都瀋陽市と隣の撫順市の間の新興エリア「瀋撫新城(ニュータウン)」にある。地元当局が2012年、街の中心にある人工湖沿いに地域のシンボルとして1億1200万元(約18億6千万円)で建造した。高さは約154メートル。40階建ての超高層ビルに相当する。約3500トンの鉄骨を使い、夜間照明用に1万2千個の発光ダイオード(LED)ライトを埋め込んでいる。
多額の費用を投じた割に「外観を楽しむ以外の役割はない」(不動産開発業者)ため、中国メディアや会員制交流サイト(SNS)で酷評され、やがて注目されなくなった。しかし、以前は配置されていた警備員がいなくなり、すべり台として遊ぶ人が増加。その様子を撮影した動画がSNSで話題になり、見物に訪れる人が増えている。
見上げるだけで恐怖を感じるほどの巨大さで、存在感は抜群。新型コロナウイルス禍もあって一帯の開発は停滞しており、地元業者は「遊具にするのはやめてほしいが、この街がまた注目されるのはうれしい」と複雑な心境を語る。当局は建造物保護のため柵を設ける方針だが、惜しむ声も出ている。 (撫順で坂本信博)
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