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キリストの降誕祭はなぜ12/25なのか、この重要な問いに真正面から応答した本として評価が高いのが、20世紀ヨーロッパを代表する古代キリスト教史学者オスカー・クルマンによる『クリスマスの起源』です。
クルマンが述べるように、コンスタンティヌス大帝治世下(306~337年)のローマ帝国では太陽を崇拝するミトラス教が普及しており、その主祭日として冬至に当たる12/25が祝われていました。
意識的なシンクレティストだったコンスタンティヌス帝は、キリストの生誕が祝われていた1/6(最古層にあるのは、アレクサンドリアのバシレイデス派がこの日をキリストの洗礼日として祝っていたことに由来)が時期的に12/25に近いことに注目し、政治的なレベルで調和をはかるために太陽崇拝とキリスト崇拝を統一することを決定します。
これと連動して、ローマ市民の一週間ごとの休日であった「太陽の日」を「安息日」(主の日)とも一致させ、共通の休日として市民が憩えるように企図しました。
「いずれにせよ、ローマにおいて336年12月25日にキリストの降誕祭が行われたことが確認されており、おそらくすでにコンスタンティヌス大帝治下にこの日が降誕祭として祝われていたものと思われる」(p.38)
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