NHKブラタモリ#182諏訪〜なぜ人々は諏訪を目指すのか?〜の感想です
2021年8月21日(土)19時30分~20時15分はブラタモリ「諏訪〜なぜ人々は諏訪を目指すのか?〜」を視聴しました。
久しぶりのブラタモリ、どこかなあと思ってたら諏訪ということで、これは書かずにおられませんね。
「ブラタモリ#182」で訪れたのは長野県・諏訪市とその周辺。
旅のお題「なぜ人々は諏訪を目指すのか?」を探ります。
■まずは諏訪大社
諏訪神社の総本山です。
6年に一度開かれる御柱祭、木落しが有名です。
生まれが諏訪のオリエンタルラジオの藤森さんが子供の頃、この祭りで歌ったことがあると自慢していた、とタモリさん。
この御柱祭、社殿を建て替えるのが第一の意味で、ついでに御柱を建てるのです。
お祭りも木落しも、氏子が自主的に勝手にやっているのだとか。
■木落の急坂にやってきた
どうしてここに急坂があるのでしょうか。
小口さんに聞いてみましょう。
諏訪湖の両岸は断層が密集していますね。
断層だらけです。
実は、糸魚川ー静岡構造線(糸静線)の上にあるのです。
断層崖を利用して御柱祭を行っているのです。
木落し坂以外にも人々が目指すものがあるのです。
■諏訪湖にやってきた
「御神渡り」で有名です。
地図を見て、平行四辺形に見えませんか?
これも断層が関わっているのです。
120万年前の糸静線は曲がっていたのです。
ズラすと平行四辺形になりました。
少し曲がっていたところが平行四辺形になり水がたまりました。
木落し坂も御柱祭も糸静線のおかげでできたのです。
■星糞とは?
星糞(ほしくそ)は、土中より湧出したと書かれています。
星糞を求めて大移動です。
宮坂さんです。
星糞とは、黒曜石のことです。
黒曜石は、矢じり、ナイフなどとして使っていたのです。
ここにある細かい黒曜石は、縄文人が掘り出したものです。
全国の縄文遺跡からたくさん発掘されています。
全体が透明感があります。
この透明度がステータスでした。
宝石のような価値を持っていたといいます。
黒曜石 Wikimedia Commons
黒曜石だけではないのです。
もう一つ大切にしていた石があります。
縄文時の生活をより豊かにした石です。
■河原にやって来ました。
小松さん
薄く剥がれる石、加工がしやすい石、片岩です。
片岩の石器が大量に出土しています。
農耕用の石のくわです。
植物栽培がこの地方の縄文文化に繁栄をもたらしました。
この河原のある場所は、長瀞のすぐ北側まで続いています。
中央構造線です。
中央構造線と糸静線が交わっているところにいるのです。
フォッサマグナ Wikimedia Commons
断層の上は人が感じるところなのです。
石のくわをつくる技術は、関東地方の人たちが持っていたと言われています。
7000年前から、海沿いの人たちが内陸を目指したのです。
縄文海進で、海が広がり、陸地が奥深く進行しました。
関東の縄文人は内陸に進んだのです。
■諏訪湖のほとりにやってきた
諏訪湖の先に何があるでしょうか?
富士山です。
昔から諏訪湖は富士山が見える名所だったのです。
こんな遠くから見えるとは不思議です。
これも断層のおかげでした。
縄文の民は、縄文海進によって住む場所を追われ、谷に沿って諏訪湖を目指してきたのです。
諏訪は、奇跡の場所だったのかもしれません。
火山国日本は、ときには災害も起こしますけど、恵みももたらしてくれるのです。
ーーおわりーー
■感想
いやーぁ、思ったより奥深かったですね。
さすがブラタモリ、地学で縄文の歴史を解説してくれました。
ということで、歴史学からの解説は無し。
いきなり糸静線、糸魚川静岡構造線が出てきました。
そして中央構造線ですから、これで諏訪の歴史が解明されました。
伊勢神宮、諏訪大社、鹿島神宮、香取神宮や、各地域の一宮がこの中央構造線の上に建立されているのは有名です。
地震と神社、そして高野山などの寺院へと続いている、大いに関係があることですし、今後研究してみたい分野ではあります。
そして黒曜石。
関東と新潟・長野を結ぶ「旧石器古道」があったのではないかといわれるくらいですから、諏訪と関東との関係は縄文時代の前から密接だったようです。
旧石器古道も、中央構造線や糸魚川静岡構造線の谷を通っていたのでしょうか。
諏訪の黒曜石が透明系だったのは初見でした。
そして、縄文海進まで出てきました。
ブラタモリは地質学者が監修しているのでしょうね。
ということで今回は縄文時代と地質学が関係した、非常に有意義な内容でした。


0 件のコメント:
コメントを投稿