アイヌ民族の哀しい歴史を追悼する「イチャルパ」、東京・芝公園で80人集い伝統継承
日本の近代化に伴う同化政策で犠牲になったアイヌ民族らを追悼するための先祖供養「イチャルパ」が23日、東京都港区の芝公園で開かれ、首都圏のアイヌ民族ら約80人が集った。
長年首都圏で暮らし、現在はアイヌ文化の保護活動をする「阿寒アイヌコンサルン」(北海道釧路市)理事長の広野洋さん(61)を祭祀(さいし)役に実施。ヤナギの木の皮を削って作られた、シリコロカムイ(大地のカムイ)などに見立てた祭具「イナウ」が祭壇に立てられ、アイヌ民族の衣装に身を包んだ参加者が祈りをささげた。終盤には、古式舞踊「弓の舞」も披露され、会場は一体感に包まれた。
イチャルパは、近代化を推し進めるため1872(明治5)年に建てられた開拓使仮学校付属の「土人教育所」に就学させられ、犠牲になったアイヌ民族を追悼するため2003年から続いてきた。現在は、何らかの理由で北海道を離れて首都圏で亡くなったアイヌ民族の供養も含まれる。
※「土人」は差別語ですが、史実を伝えるためそのまま使用します
主催したアイヌ民族の団体「レラの会」会長の工藤千秋さん(67)は「イチャルパが、首都圏アイヌの文化伝承の場になってくれたら。子や孫世代に引き継がれていくといい」と話した。(木原育子)