2022年11月7日に日本でレビュー済み
https://www.amazon.co.jp/精選-死海文書-村岡崇光/dp/4764267527
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エルサレムから東に進み「良きサマリア人」の赤茶けた岩場を抜けてエリコへの坂道を下りきると、T字路になっており、左手に進むと直ぐにエリコ、右手には死海が広がる。右手方向に死海沿いに90号線を南下し、そう遠くないところ、ほぼ90号線沿いにクムランがある。エルサレムからは自転車でも行ける距離だ(だが帰りは急な登り坂なので無理)。この書はクムランの第一洞窟で発掘されたものだ。本書の表紙になっているような写真でよく見る崖の上の第四洞窟ではなく、クムラン遺跡より少しエリコよりにある洞窟だ。
その洞窟で発見されたものは、本書掲載のアラム語「創世記外典」、ヘブライ語「共同体規約」、「ハバクク書注解」と、本書には未掲載のヘブライ語「イザヤ書」全巻である。発見当初は読み取れなかった文字も現代の技術で読み取れるようになり、本訳は過去の英訳と比べても非常に充実したものになっている。これが日本語訳で読めるというのは、非常にありがたいことだ。また当時のパレスチナ地方で使用された文語体アラム語で書かれた「創世記外典」(1Q20)だが、翻訳だけではなく注解が見事で、非常に充実している。アラム語では通常使わないヘブライ語の単語を使用しているなどの個所についても詳しい説明がある。「創世記外典」自体には、アブラハムの妻サラの容姿について非常に詳しく書いてある箇所があり、イエス時代の当時の美意識についても参考になるだろう。サラの姿がリアルに浮かび上がる。
「創世記外典」(1Q20)はイエス時代のアラム語がどのようなものであったかを知る貴重な資料ではあるが、アラム語原文は記載が無いので多少残念ではある。欲を言えば原文との併記がほしかったところではある。また死海文書の訳本を初めて購入する方は驚くかもしれないが、欠損個所は大変多く、大量の欠損個所[‥‥]を読み飛ばして読むことに慣れる必要がある。だがこの「創世記外典」の要旨はしっかり分かる。とても充実した一冊だ。
その洞窟で発見されたものは、本書掲載のアラム語「創世記外典」、ヘブライ語「共同体規約」、「ハバクク書注解」と、本書には未掲載のヘブライ語「イザヤ書」全巻である。発見当初は読み取れなかった文字も現代の技術で読み取れるようになり、本訳は過去の英訳と比べても非常に充実したものになっている。これが日本語訳で読めるというのは、非常にありがたいことだ。また当時のパレスチナ地方で使用された文語体アラム語で書かれた「創世記外典」(1Q20)だが、翻訳だけではなく注解が見事で、非常に充実している。アラム語では通常使わないヘブライ語の単語を使用しているなどの個所についても詳しい説明がある。「創世記外典」自体には、アブラハムの妻サラの容姿について非常に詳しく書いてある箇所があり、イエス時代の当時の美意識についても参考になるだろう。サラの姿がリアルに浮かび上がる。
「創世記外典」(1Q20)はイエス時代のアラム語がどのようなものであったかを知る貴重な資料ではあるが、アラム語原文は記載が無いので多少残念ではある。欲を言えば原文との併記がほしかったところではある。また死海文書の訳本を初めて購入する方は驚くかもしれないが、欠損個所は大変多く、大量の欠損個所[‥‥]を読み飛ばして読むことに慣れる必要がある。だがこの「創世記外典」の要旨はしっかり分かる。とても充実した一冊だ。
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