2025年10月31日金曜日

Amazon.co.jp: 中国の少数民族地帯をゆく : 鳥居 龍蔵: 本


2010年5月12日に日本でレビュー済み
 本書は鳥居龍蔵が20世紀初頭、清代末期の中国・貴州省、雲南省、四川省を人類学的視点で観察した旅行記だ。鉄道もバスもまだなく、乗物は川船と馬だけの時代に、異民族の多い地方を約半年間も旅行することは大変だと思うが、本文中に苦労話はほとんどなく、著者が純粋に学問的な好奇心から企画した旅だったことがわかる。

 それでも、道中行く先々で役人から治安が悪いから気をつけろとの警告を受けたり、現地人から洋鬼(ヤンキー)と罵られたり、カツラの辮髪をつけて変装したりと、一種の冒険旅行だったこともわかる。また漢族と少数民族との関係が現在よりも険悪だったこともわかった。

 なにぶん100年前の文章で一部、読みにくい箇所もあるが、大林太良によるわかりやすい解説が最後にあって助かった。それによると、雲南省などに住む少数民族に日本文化のルーツを探ろうとする最近の研究は、鳥居龍蔵のこの旅から始まったと言っていいそうで、彼が後代に残した影響の大きさがわかった。

https://www.amazon.co.jp/中国の少数民族地帯をゆく-朝日選書-鳥居-龍蔵/dp/4022592621

0 件のコメント:

コメントを投稿

鈴村智久 Tomohisa SuzumuraさんによるXでのポスト

実は紀元前9~7世紀頃の古代イスラエルでは、ヤハウェのパートナーとして母神アシェラが崇拝され、紀元前7世紀頃にもエレミヤ書(44:16-18)が伝える「天の女王」崇拝が興隆していましたが、これらの女神たちとソフィア(知恵)の関係について、山口里子が驚くべき研究を報告しています。 ...